温泉施設やプールなどの事故のニュースで、
たまに耳にするレジオネラ菌。
感染すると死に至る場合もあるようで、
目には見えない細菌に恐怖を覚えます。
水場が危なそう……
というイメージがありますが、
では、自宅のお風呂はどうなのでしょう?
レジオネラ菌はいるのか?
感染するのか?
なにか対策はあるのか?
さらに、
そもそもレジオネラ菌とはなにか?
感染するとどうなるのか?
調べてみました。
レジオネラ菌は自宅のお風呂にもいる?
レジオネラ菌は、河川や湿った土壌など自然界のどこにでも生息する細菌です。室内の水のあるところにも存在しています。
家の中の水場といえば、やはりお風呂。
お風呂場にも当然のように
レジオネラ菌は生息しています。
他にも、水が一定量たまっている場所として、
加湿器や給湯器がよく挙げられます。
レジオネラ菌は、
私たちの生活の中に、
ふつうに存在している細菌です。
レジオネラ菌の感染予防対策
自宅のお風呂を安心して使用するために、日ごろからできることを覚えておきましょう。
以下のような対策を講じることができます。
・浴槽のお湯は毎日入れ替える。
・身体を洗ってから浴槽に入る。
・使用後はしっかり掃除する。
・浴室を換気する。
・定期的に蛇口やシャワーヘッドを掃除する。
・循環式浴槽はメーカーの指示通り、
定期的に正しく掃除する。
・60℃以上でレジオネラ属菌は殺菌される。
見落としがちですが、
蛇口とシャワーヘッドに菌が繁殖すると、エアロゾルによって飛散しやすくなります。
ジャグジーやジェットバスも同様です。
浴室は、
とにかく清潔にして菌を増殖させないこと、換気をして湿気をそのままにしないことがポイントですね。
レジオネラ菌の特性と感染経路
何処にでも生息しているレジオネラ菌ですが、
手で触れただけで感染することはありません。
レジオネラ菌を含む霧状の水(エアロゾル)を、直接口から吸い込むと感染してしまいます。エアロゾルとは目には見えないほど小さな水滴です。
菌の病原性は高くはないので、健康な人がふつうに入浴して感染することは稀です。
乳幼児や高齢者、病人など抵抗力の弱い人だと、感染の危険が高まります。人から人へうつることはありません。
レジオネラ菌は20℃~50℃の範囲で繁殖し、36℃が彼らのとっての適温です。
そんな環境下で貯めてある水や、循環させ何度も繰り返し使う水によって、菌が増殖し、感染が起こり得ます。
1つ感染源があると、そこから複数の人に感染が広がっていきます。温泉施設やプールで集団感染が起こるのはこのためです。
ほとんどの原因は、掃除不足だそうです。
レジオネラ症
レジオネラ菌に感染するとどうなる?
レジオネラ症と呼ばれる、主な病気は2つです。
レジオネラ肺炎
症 状:寒気・高熱・咳・吐き気・筋肉痛
意識障害・頭痛・下痢・倦怠感。
潜伏期間:2〜10日間ほど、
死 亡 率:15〜30%です。
適切な処置が遅れると致死率が7割にも
免疫力の弱い人がかかると、容体が急変することが多々あります。
ポンティアック熱
症 状: 寒気・発熱・筋肉痛・頭痛・咳・倦怠感。
潜伏期間:1〜2日
レジオネラ肺炎と比べると一般的に軽度
公共の温泉施設に行ったなど、心当たりのある場合は、自己判断せず、速やかに受診しましょう。
まとめ
レジオネラ菌は、どこにでもいる細菌。
自宅のお風呂にも生息するが、
通常の入浴で感染することはほぼない。
浴室は常に清潔に保ち、湿気を取り除くようにすれば、レジオネラ菌の増殖を最小限に抑えることができる。
抵抗力の弱い人が浴室を使用する場合は、
より清潔にするよう気を付ける。
死亡事故のニュースはショッキングですが、
必要以上に怖がらずに、これまで通り、お風呂をキレイに掃除しましょう。