パソコンや携帯など、目を酷使することの多い日常で、目が乾いたりすることにも慣れてしまっています。
だけど、ドライアイに大きな病気が隠れていることも。
大切な身体のために、シェーグレン症候群という病気があることを知識として持っておきましょう。
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シェーグレン症候群とは
シェーグレン症候群は、
涙や唾液の分泌が減ってしまう病気です。
涙腺と唾液腺が慢性的に炎症することで、涙と唾液の分泌が妨げられてしまう、自己免疫疾患のひとつです。
国に指定難病と認められていますが、シェーグレン症候群単独では、命に関わる重病になることはほぼありません。
また、遺伝することもありません。
患者は男女の比率で見ると1:14で女性が多く、年代は40~60代に集中し、50代がピークです。
関節リウマチなどの膠原病が原因で起こる二次性シェーグレン症候群と、原因となる病気がない原発性シェーグレン症候群に分類されます。
ここでは、原発性シェーグレン症候群の症状についてまとめます。
原発性シェーグレン症候群の症状
涙と唾液が減るので、
ドライアイとドライマウスになる。
・乾燥して目を開けていられない
・目にまつげやゴミが入っても
洗い流されずゴロゴロする
・目がかすんでよく見えない
・すぐ目がだるくなる
・とにかくまぶしい
・目やにが大量

ひどくなると
・目の充血
・目のかゆみ
・角膜に傷がつき結膜炎になる
・涙が出なくなる
ついでに
・目つきが悪くなる
といったことが起こります。
・パサパサしたものが食べにくい
・大量の水分がないと食事が摂れない
・ずっと話していると声がかれてくる
・虫歯のリスクがあがる
・味覚障害が起きる
・口の中が痛い
など、いいことはありません。
症状がドライアイ・ドライマウスのみは、全体の約45%です。ひどいとつらいですが、大抵が普通に生活できている部類です。
涙腺や唾液腺以外の臓器に症状が現れることもあります。これを腺外症状と呼びます。
全身の倦怠感や関節痛をはじめ、皮膚が乾燥してかゆみが起きたり、肌が赤くなる紅斑が出たりすることも。
肺が固くなり肺活量が低下する間質性肺炎、膀胱炎、腎炎、神経炎などあらゆる臓器に症状がでることがあります。
全体の約50%が、こうした全身症状を伴います。
リンパ節の炎症により、悪性リンパ腫の発症リスクが通常の16~44倍になります。
悪性リンパ腫、原発性マクログロブリン血症などを実際に発症してしまう患者は、全体の約5%です。
シェーグレン症候群の原因と治療
原因は諸説あり、はっきりわかっていません。
・女性ホルモンの低下によるタンパク質RbApの過剰が、涙腺の細胞死を招くとする説。
・ダイオキシンが発症に関係しているとする説。
・ビタミンB群の欠乏が原因とする説。
さらに環境も影響するとされています。
原因をどれかひとつとするのは難しく、様々な要因が重なった結果、発病すると考えられています。
シェーグレン症候群の治療
現在、根本的に治すことは不可能です。
対症療法を行っていくことになります。
目の乾燥には人工涙液を、
口の乾燥には人工唾液を
それぞれ補充していきます。
ほかにも目薬や内服薬を用いて、
乾燥状態の改善を目指します。
腺外症状については、
それぞれの臓器に適した治療が行われます。
まとめ
疲れ目やストレスによるドライアイではなく、こうした病気によって目が乾燥してしまうこともあるのだと知りました。
もし自分や身近な人が
シェーグレン症候群を発症してしまったら、その時は、いち早く気づけるようにしておきたいものです。