定款や社内文書、会議の議事録などを作成していると、読み方や見た目がよく似た言葉が出てきます。
普段あまり使わない言葉だからこそ、いざ文章に書こうとすると迷ってしまいますよね。
特に間違えやすいのが、次の3組です。
- 規程と規定
- 選任と選定
- 決議と議決
どれも似ていますが、正式な文書では場面に応じて使い分けられています。
この記事では、それぞれの違いを具体的な例文とともに、初心者にも分かりやすく解説します。
なお、法令用語の使われ方は、法人の種類や適用される法律によって異なる場合があります。定款や議事録などの正式な文書を作成するときは、一般的な意味だけで判断せず、法律や定款の表現も確認してください。
結論|紛らわしい法令用語の違いを一覧で比較
まずは、それぞれの大まかな違いを確認しておきましょう。
| 用語 | 基本的な意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| 規程 | 複数の条項をまとめた文書 | 旅費規程を制定する |
| 規定 | 個々の定め、または定めること | 第5条に規定する |
| 選任 | 役職や任務に就く人を選ぶこと | 理事を選任する |
| 選定 | 候補者や役員などから特定の人を選ぶこと | 代表理事を選定する |
| 選考 | 能力や適性を審査して選ぶこと | 奨学生を選考する |
| 議決 | 会議体として意思を決めること | 議案を議決する |
| 決議 | 会議体による意思決定や、その決定 | 理事会の決議 |
| 採決 | 賛成・反対を確認する手続 | 挙手で採決する |
| 可決 | 採決の結果、議案が認められること | 議案が可決された |
| 承認 | 行為や内容を認めること | 決算を承認する |
最初は、次のように覚えておくと整理しやすくなります。
規程は文書全体、規定は個々のルール
選任は役職に就く人を選ぶこと、選定は候補者などから特定の人を選ぶこと
ただし、「決議」と「議決」は、実際の法律や組織によって使われ方が重なることがあります。
単純に「決議は結果、議決は行為」とだけ覚えず、文脈に合わせて判断することが大切です。
「規程」と「規定」の違い
「規程」と「規定」は、どちらも「きてい」と読みます。
読み方は同じですが、一般的には「ルールをまとめた文書」と「個々のルール」という違いがあります。
規程とは複数の条項をまとめた文書
規程とは、一定の目的に関する複数の条項を、ひとまとまりにした文書です。
たとえば、次のような名称で使われます。
- 給与規程
- 旅費規程
- 会員規程
- 経理規程
- 個人情報管理規程
「旅費規程」であれば、交通費、宿泊費、日当、申請方法など、出張に関する複数のルールをまとめた文書というイメージです。
国立国会図書館のレファレンス協同データベースでは、法律用語辞典などの記載をもとに、「規程」は一定の目的のために定められた一連の条項の総体、「規定」は法令中の個々の条項の定めとして紹介されています。
規定とは個々の定めや、定めること
規定は、法律、定款、規程などに書かれている一つひとつの定めを表します。
また、「文章の中でルールを定める」という動詞としても使われます。
たとえば、次のような使い方です。
会費の納入期限は、会員規程第7条に規定されています。
この文章では、次の意味で使われています。
- 会員規程:会費や会員資格などのルールをまとめた文書
- 第7条の規定:第7条に書かれた個別のルール
- 第7条に規定する:第7条でルールを定めること
規程と規定の覚え方
迷ったときは、次のように覚えると分かりやすいでしょう。
規程=ルールをまとめた文書全体
規定=文書の中にある一つひとつのルール
具体的には、次のように使います。
- 旅費規程を制定する
- 旅費規程の内容を見直す
- 旅費規程第8条の規定に基づく
- 宿泊費の上限を第8条に規定する
一つの文章に「規程」と「規定」が両方入ることもあります。
旅費の支給については、旅費規程第8条の規定に基づいて処理します。
この場合、「旅費規程」が文書全体、「第8条の規定」が個別の定めです。
「給与規程」と「給与規定」はどちらが正しい?
複数の給与ルールをまとめた文書名には、「給与規程」が使われることが多いでしょう。
たとえば、次のように使います。
- 給与規程を制定する
- 給与規程の内容を変更する
- 給与規程第5条に計算方法を規定する
- 給与規程第5条の規定に基づいて支給する
ただし、「給与規定」という名称が直ちに誤りになるわけではありません。
会社ですでに「給与規定」という名称の文書を正式に制定している場合は、その正式名称を使用します。
一般的な書き方と、実際に定められた文書の名称は分けて考えましょう。
規程・規定・規則・細則の違い
「規程」「規定」と似た言葉に、「規則」や「細則」があります。
一般的には、次のように整理できます。
| 用語 | 基本的な意味 |
|---|---|
| 規程 | 複数の条項をまとめた文書 |
| 規定 | 個々の定め、または定めること |
| 規則 | 一定の事項について定めたルール |
| 細則 | 規程や規則を実施するための細かなルール |
組織内の文書体系の一例として、次のように整理されることがあります。
定款
↓
規程・規則
↓
細則・要領・基準
↓
マニュアル
ただし、これはすべての会社や法人に共通する順番ではありません。
「規程が必ず規則より上」「規則は必ず規程より下」と決まっているわけではなく、文書名や上下関係は組織によって異なります。
各組織の定款や文書管理規程などを確認しましょう。
定款と規程の違い
定款は、法人の目的、組織、活動などについて定めた根本的なルールです。
日本公証人連合会も、定款を会社や社団法人、財団法人などの目的・組織・活動に関する「根本となる基本的な規則」と説明しています。
一方、規程は、法令や定款に基づき、具体的な運用方法を定めるために作られることが多い文書です。
たとえば、定款に「会員は会費を納めなければならない」と定め、会費規程で次のような内容を具体的に決めることがあります。
- 会費の金額
- 支払期限
- 支払方法
- 途中入会時の取扱い
- 返金の有無
- 滞納した場合の対応
定款が法人運営の基本ルール、規程が具体的な運用ルールと考えると、違いをつかみやすくなります。
規程の制定・改正・改定・廃止の違い
規程を作ったり内容を変更したりするときには、「制定」「改正」「改定」「廃止」といった言葉が使われます。
- 制定:新しい規程や規則を作ること
- 改正:既存の規程や規則の内容を改めること
- 改定:基準、料金、金額などを改めて定め直すときに使われることが多い言葉
- 廃止:規程や規則そのものをなくすこと
- 改廃:改正と廃止をまとめた表現
「改正」は、一部だけを変更するときに限られません。
法令には、一部を改める「一部改正」と、内容を全面的に改める「全部改正」があります。
なお、「改正」と「改定」の使い分けは、組織の文書管理ルールによって異なる場合があります。
社内文書では、文書管理規程や過去の議事録と表記を統一するとよいでしょう。
「選任」と「選定」の違い
選任と選定は、どちらも人を選ぶ場面で使われます。
ただし、法人の役員を決める場面では、選ぶ段階や手続によって言葉が使い分けられています。
選任とは役職や任務に就く人を選ぶこと
選任とは、特定の役職や任務に就く人を選ぶことです。
たとえば、次のように使います。
- 理事を選任する
- 監事を選任する
- 取締役を選任する
- 委員を選任する
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律では、「役員等の選任及び解任」という区分が設けられています。
一般社団法人の理事や監事は、社員総会の決議によって選任されます。
e-Gov法令検索「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」
選定とは候補者や役員などから特定の人を選ぶこと
選定は、候補者や、すでに一定の立場にある人の中から、特定の役割を担う人を選ぶ場面で使われます。
たとえば、理事会を設置している一般社団法人では、理事会が理事の中から代表理事を選定します。
社員総会で理事を選任し、理事会で理事の中から代表理事を選定する。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律では、理事会の職務として「代表理事の選定及び解職」が定められています。
選任と選定を流れで理解する
理事会設置一般社団法人を例にすると、次の流れになります。
1.社員総会で理事になる人を選任する
2.理事会で理事の中から代表理事を選定する
つまり、次のようなイメージです。
- 選任:まず役員になる人を選ぶ
- 選定:役員などの中から代表者を決める
ただし、これは理事会を設置している一般社団法人の場合です。
理事会を設置していない一般社団法人では、定款や社員総会の決議、理事の互選などによって代表理事を決める場合があります。
実際の手続では、法人の定款と適用される法律を確認してください。
選任・選定・選考・指名の違い
| 用語 | 基本的な意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| 選任 | 役職や任務に就く人を選ぶ | 理事を選任する |
| 選定 | 候補者や役員などから特定の人を選ぶ | 代表理事を選定する |
| 選考 | 能力や実績、適性などを審査して選ぶ | 奨学生を選考する |
| 指名 | 特定の人を名指しする | 議長が発言者を指名する |
「選考」は、条件に合う人を審査して選ぶ場面でよく使われます。
- 採用候補者の選考
- 奨学生の選考
- 受賞者の選考
- コンテスト入賞者の選考
「指名」は、特定の人を名指しで候補者や担当者にする場面で使われます。
- 議長が発言者を指名する
- 担当者として指名する
- 候補者を指名する
選任には「解任」、選定には「解職」が使われる
一般法人法や会社法では、次の組み合わせが使われています。
- 選任と解任
- 選定と解職
たとえば、理事については次のように表現します。
理事を選任する
理事を解任する
一方、代表理事については次のように表現します。
代表理事を選定する
代表理事を解職する
理事としての地位を失わせる「解任」と、代表理事としての立場を解く「解職」は、同じ意味ではありません。
法人の種類によって用語や手続が異なる
法人によって、役員を選ぶ機関や代表者の名称は異なります。
| 法人・組織 | 主な会議体 | 主な役員・代表者 |
|---|---|---|
| 株式会社 | 株主総会・取締役会 | 取締役・代表取締役 |
| 一般社団法人 | 社員総会・理事会 | 理事・代表理事 |
| 一般財団法人 | 評議員会・理事会 | 理事・代表理事 |
| 自治会・任意団体 | 総会・役員会 | 会長・役員など |
株式会社でも、取締役については「選任」、代表取締役については「選定」という表現が使われます。
ただし、代表取締役を誰がどのように決めるかは、取締役会を設置しているかなど、会社の機関設計や定款によって異なります。
「決議」と「議決」の違い
決議と議決は、漢字の順番が反対になっているため、特に迷いやすい言葉です。
一般的には、次のように整理できます。
- 議決:会議体が議案などについて意思を決定すること
- 決議:会議体による意思決定や、その決定
ただし、実際の法令や議会、法人の文書では、両者の使われ方が完全に分かれているわけではありません。
「決議は必ず結果、議決は必ず行為」と言い切らず、文章全体の意味から判断しましょう。
議決とは会議体として意思を決めること
議決とは、議会、社員総会、理事会などの会議体が、議案について意思を決定することです。
たとえば、次のように使われます。
- 議案を議決する
- 議決権を行使する
- 議決に加わる
- 議決の結果を確認する
決議とは会議体による意思決定や、その決定
決議は、会議体が特定の事項について行う意思決定や、その決定を表す言葉です。
たとえば、法人の文書では次のように使われます。
- 社員総会の決議
- 株主総会の決議
- 理事会の決議
- 普通決議
- 特別決議
一方、国会や地方議会では、「決議」が議院・議会として一定の意思を対外的に表明する形式を指す場合があります。
福岡市議会は、決議を「議会の意思を表明するためになされる議決」と説明しています。
そのため、「決議」と「議決」の違いは、法人の会議なのか、国会・地方議会なのかによっても捉え方が異なります。
決議と議決を例文で確認
次の文章を見ると、両者の使われ方が分かりやすくなります。
理事会の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができません。
ここでは、次の意味で使われています。
- 理事会の決議:理事会として行う意思決定
- 議決に加わる:その意思決定に参加する
このように、「決議」と「議決」が同じ文章に出てくることもあります。
決議・議決・採決・可決・否決の違い
会議で使われる言葉は、話し合いの流れに沿って考えると理解しやすくなります。
1.議案を提出する
会議で話し合い、決めてもらいたい内容を提出します。
2.議案を審議する
議案の内容について説明を受け、質問や意見を出しながら検討します。
3.採決する
出席者の賛成・反対を確認します。
挙手、投票、起立など、会議のルールに定められた方法で賛否を採ります。
4.採決の結果、会議体の意思が決まる
採決によって、会議体としての意思が決まります。これが議決です。
議案の種類や結果に応じて、次のような言葉が使われます。
- 可決・否決
- 承認・不承認
- 同意・不同意
- 認定・不認定
「可決」は、議決したあとに別の手続として行われるものではありません。
採決の結果、議案が認められたことを「可決」と呼びます。
参議院も、本会議で採決を行い、議院として最終的な結論を出し、必要な賛成を得た場合に可決となると説明しています。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 議案 | 会議で話し合い、決めるために提出された案 |
| 審議 | 議案について話し合い、検討すること |
| 採決 | 賛成・反対を確認する手続 |
| 議決 | 会議体として意思を決めること |
| 可決 | 議案が認められること |
| 否決 | 議案が認められないこと |
| 決議 | 会議体による意思決定や、その決定 |
決議と承認の違い
「承認」も、会議の場面でよく使われる言葉です。
承認とは、提案された内容や、すでに行われた行為を適切なものとして認めることです。
たとえば、次のように使われます。
- 決算を承認する
- 事業報告の内容を承認する
- 利益相反取引を承認する
- 過去の行為を事後承認する
一方、決議は、会議体による意思決定や、その決定を表します。
そのため、次のように「決議」と「承認」が同じ文章に入ることがあります。
理事会は、その取引を承認する旨の決議を行いました。
この場合は、次の関係です。
- 決議:意思決定の方法や、その決定
- 承認:決定された内容
「決議」と「承認」は同じ意味ではなく、承認するかどうかを決議によって決める場合があると考えると分かりやすいでしょう。
普通決議と特別決議の違い
社員総会や株主総会では、議案の種類や重要度に応じて、普通決議や特別決議などの方法が使われます。
普通決議
通常の議案について用いられる決議方法です。
特別決議
定款変更など、法人にとって重要な事項について用いられる、通常より厳しい要件の決議方法です。
ただし、普通決議と特別決議の区分や成立要件は、株式会社、一般社団法人などの法人の種類や、議案の内容によって異なります。
「過半数なら普通決議」「3分の2なら特別決議」とすべての法人に共通するものとして覚えず、適用される法律と定款を確認してください。
正しい使い方を例文で確認
ここまでの内容を、実際の文章で確認してみましょう。
規程と規定の例文
一般的な使い方
- 旅費規程を制定する
- 旅費規程の内容を見直す
- 旅費規程第8条に宿泊費の上限を規定する
- 第8条の規定に基づいて宿泊費を支給する
注意したい例
旅費規定を制定する
複数のルールをまとめた文書名なら、「旅費規程」とするのが一般的です。
ただし、正式な文書名が「旅費規定」であれば、その名称を使用します。
選任と選定の例文
理事会設置一般社団法人を例にすると、次のように使います。
- 社員総会で理事を選任する
- 社員総会で監事を選任する
- 理事会で理事の中から代表理事を選定する
- 理事会で代表理事を解職する
「理事を選定する」「代表理事を選任する」と書くと、適用される法律や定款の用語と合わない場合があります。
正式な議事録では、法人の種類と機関設計を確認しましょう。
決議と議決の例文
- 社員総会の決議によって理事を選任する
- 理事会の決議に基づいて契約を締結する
- 社員が議決権を行使する
- 特別な利害関係を有する理事は議決に加わらない
- 議案について採決を行う
- 採決の結果、議案が可決された
定款・規程・議事録を作るときの確認ポイント
法令用語は、言葉の一般的な意味だけでなく、どの法律に基づく文書なのかが重要です。
正式な文書を作成するときは、次の点を確認しましょう。
適用される法律を確認する
法人の種類によって、適用される法律が異なります。
- 株式会社:会社法
- 一般社団法人・一般財団法人:一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
- 公益社団法人・公益財団法人:一般法人法に加えて公益認定に関する法律
- 社会福祉法人:社会福祉法
- 特定非営利活動法人:特定非営利活動促進法
似た名称の役職でも、選び方や決議要件が同じとは限りません。
定款と規程の正式名称を確認する
一般的な表記では「給与規程」が自然でも、会社の正式な文書名が「給与規定」であれば、その名称を使います。
正式名称を勝手に変更すると、別の文書を指しているように受け取られる可能性があります。
過去の文書と表記を統一する
同じ役職や手続について、次の言葉が混在すると、読んだ人が迷ってしまいます。
- 選任
- 選定
- 選出
- 指名
過去の議事録を参考にしながら、法律や定款に合った表現へ統一しましょう。
ひな形をそのまま使わない
インターネット上にある定款や議事録のひな形は、別の法人形態を前提としている場合があります。
また、法改正前に作られた古いひな形である可能性もあります。
日本公証人連合会が公開している定款記載例にも、法人の形態に応じた違いがあります。
ひな形は参考資料として使い、自分の会社や法人の機関設計、定款、実際の決議内容に合わせて調整しましょう。
重要な文書は専門家や提出先に確認する
次のような文書は、登記や行政手続に影響する可能性があります。
- 定款
- 役員の選任・解任に関する議事録
- 代表者の選定・解職に関する議事録
- 登記申請に添付する書類
- 公益認定申請などの提出書類
判断に迷う場合は、法務局や行政機関などの提出先に確認しましょう。
登記申請や役員変更登記については司法書士や弁護士、許認可申請や行政機関への提出書類については、内容に応じて行政書士などへ相談できる場合があります。
よくある質問
規程と規定は、どちらも「きてい」と読むのですか?
はい。どちらも「きてい」と読みます。
一般的には、規程は複数の条項をまとめた文書、規定は個々の定めや、ルールを定めることを表します。
「社内規程」と「社内規定」はどちらが正しいですか?
複数の社内ルールをまとめた文書の総称には、「社内規程」が使われることが多いでしょう。
ただし、会社が「社内規定」という名称で正式に制定している場合は、その名称を使います。
「就業規程」と「就業規則」は同じですか?
日常的な表現では似た意味で使われることがありますが、労働基準法では「就業規則」という用語が使われています。
厚生労働省によると、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長へ届け出る必要があります。
就業規則を変更した場合も届出が必要です。
法律上の制度を説明するときは、「就業規則」と表記するのが適切です。
規程と規則は、どちらが上ですか?
名称だけで一律に判断することはできません。
組織によって文書体系が異なるため、その組織の定款や文書管理規程を確認してください。
代表理事は選任と選定のどちらですか?
理事会設置一般社団法人では、社員総会で理事を選任し、理事会が理事の中から代表理事を選定します。
理事会を設置していない一般社団法人では手続が異なる場合があるため、定款と適用される法律の確認が必要です。
代表取締役は選任と選定のどちらですか?
取締役になる人については「選任」、取締役会設置会社の代表取締役については「選定」という表現が使われます。
ただし、代表取締役の決め方は、取締役会を設置しているかなど、会社の機関設計や定款によって異なります。
採決と議決は何が違いますか?
採決は、議案に対する賛成・反対を確認する手続です。
議決は、採決の結果、会議体として意思を決めることです。
決議と承認は同じですか?
同じではありません。
決議は会議体による意思決定やその決定、承認は行為や内容を認めることです。
承認するかどうかを、理事会や総会の決議によって決める場合があります。
「選考委員会」と「選定委員会」は何が違いますか?
能力、実績、適性などを審査して人を選ぶ場合は、「選考委員会」が使われることがあります。
複数の候補者、事業者、作品、計画案などから対象を決める場合は、「選定委員会」が使われることがあります。
ただし、委員会の正式名称は、設置規程や募集要項に従ってください。
まとめ
「規程」と「規定」、「選任」と「選定」、「決議」と「議決」はよく似ていますが、使われる場面には違いがあります。
最後に、もう一度ポイントを確認しましょう。
- 規程は複数の条項をまとめた文書
- 規定は個々の定め、または定めること
- 選任は役職や任務に就く人を選ぶこと
- 選定は候補者や役員などから特定の人を選ぶこと
- 選考は能力や適性を審査して選ぶこと
- 議決は会議体として意思を決めること
- 決議は会議体による意思決定や、その決定
- 採決は賛成・反対を確認する手続
- 可決は採決の結果、議案が認められること
まずは、次のように覚えると使い分けやすくなります。
規程は文書全体、規定は個々のルール
ただし、法人の種類や機関設計によって、役員を選ぶ手続や決議の要件は異なります。
定款や議事録、登記申請に関係する文書を作成するときは、適用される法律と定款を確認し、正式な用語を使いましょう。
※本記事は法令用語の一般的な使い分けを解説したものです。個別の定款作成、役員変更、登記、法人手続については、提出先の行政機関や法務局に確認し、必要に応じて対応できる専門家へご相談ください。
