- 窓に向けるのが正解なの?
- 外から部屋の中へ風を送った方がよいのでは?
- 窓が1つしかない部屋では、どこに置けばいい?
このように、置き場所や風の向きで迷っている方も多いのではないでしょうか。
部屋にこもった湿気や熱気を換気で逃がしたい場合は、
サーキュレーターを窓の近くに置き、風を屋外へ向けるのが基本です。
さらに、反対側の窓や部屋のドアを開けて空気の入口をつくると、室内の空気を外へ押し出しやすくなります。
ウェザーニュースでも、電気通信大学の石垣陽特任教授が、窓際から屋外へ向ける置き方を紹介しています。
ただし、サーキュレーターそのものが空気中の水分を取り除くわけではありません。
外の空気も蒸し暑い日や、窓を開けると室温が上がってしまう日は、エアコンの冷房・除湿機能や除湿機を使った方がよいこともあります。
この記事では、湿気を逃がすサーキュレーターの置き場所と向きを、窓の数や使用目的に合わせて分かりやすく解説します。
【結論】換気ならサーキュレーターは窓際から外向き
部屋にこもった湿気や熱気を外へ出したいときは、次のように設置します。
- 空気を排出する窓を開ける
- サーキュレーターを窓の近くに置く
- 風が窓の外へ向かうように調整する
- 反対側の窓や部屋のドアを開ける
- 室温や体感を確認しながら換気する
ダイキンは、窓が1つしかない部屋では、ドアを開けて扇風機などを窓の外へ向ける方法を案内しています。
外から室内へ風を入れるだけでは、室内の空気が十分に排出されず、部屋の中に残ることがあるためです。
換気するときは、風が窓の外へ向かうように角度を合わせましょう。
首振り運転と固定運転のどちらが適しているかは、窓の大きさや製品の仕様によっても変わります。
窓の外へ風が届く状態を確認し、取扱説明書に従って調整してください。
また、窓際へ置くときは、カーテンを巻き込まないことや、本体に雨がかからないことも大切です。
目的別・サーキュレーターの置き場所と向き
サーキュレーターの向きは、使用目的によって異なります。
| 使用目的 | 窓の状態 | 置き場所 | 風の向き |
|---|---|---|---|
| 湿気や熱気を換気で逃がす | 開ける | 排気する窓の近く | 窓の外 |
| 冷房の空気を循環させる | 閉める | 冷気がたまりやすい場所など | 部屋の中 |
| 隣の部屋へ冷気を送る | ドアを開ける | 出入口付近など | 隣の部屋 |
| 部屋干しを乾かす | 状況による | 洗濯物の近く | 洗濯物 |
換気するときは外向き、室内の温度ムラを減らしたいときは部屋の中へ向けると覚えると分かりやすいでしょう。
サーキュレーターを回すだけでは除湿できない
サーキュレーターを運転すると風が生まれるため、湿度まで下がったように感じることがあります。
しかし、サーキュレーターは、直線的な風を送って室内の空気を循環させることを主な目的とした家電です。
一般的な除湿機のように、空気中の水分を集めて排水する機能はありません。
窓を閉め切った状態でサーキュレーターだけを運転すると、部屋の中の空気や湿気だまりを動かすことはできますが、室内にある水分そのものは外へ出ていきません。
湿気を減らすには、次のような方法と組み合わせる必要があります。
- 窓や換気扇による換気
- エアコンの冷房・除湿機能
- 除湿機
- 住宅の24時間換気システム
パナソニックも、湿気対策の基本として換気と通気を挙げ、窓を開けにくい場所ではエアコンの除湿機能や除湿機器の活用を案内しています。
サーキュレーターは「単独で除湿する家電」ではなく、
換気や除湿を助けるために空気を動かす家電と考えるとよいでしょう。
換気・空気循環・除湿の違い
似ているように見えますが、それぞれ役割が異なります。
換気は、室内の空気と屋外の空気を入れ替えることです。
空気循環は、部屋の中の空気を動かして、温度や湿度の偏りを減らすことです。
除湿は、エアコンや除湿機を使い、空気中の水分を取り除くことです。
外の空気を取り入れられる状況なら「窓開け換気+サーキュレーター」、窓を開けにくい場合は「エアコンや除湿機+サーキュレーター」というように使い分けましょう。
なぜ窓際から外向きにすると換気しやすいの?
サーキュレーターは、直線的な風を遠くまで送ることに向いています。
窓の近くに置いて屋外へ向けると、本体の後ろ側にある室内の空気を吸い込み、窓の外へ押し出します。
室内から空気が出ていくと、その分だけ反対側の窓やドアから空気が入りやすくなり、部屋の中に空気の流れが生まれます。
ウェザーニュースの記事では、石垣陽特任教授が、窓際から外向きに設置すると室内の空気を窓の外へ押し出しやすくなり、換気を助けられると説明しています。
反対に、窓を閉めたまま部屋の中央で回すだけでは、空気をかき混ぜることはできても、湿気を含んだ空気を屋外へ排出することはできません。
どこから空気を入れ、どこから出すのかを考えて設置することがポイントです。
窓が2カ所ある部屋の換気方法
窓が2カ所以上ある部屋では、できるだけ離れた位置にある窓を開けます。
できるだけ対角線上の窓を開ける
効率よく換気するには、部屋の対角線上にある2カ所の窓を開けるのが基本です。
対角線上の窓を開けると、部屋を横切るように空気が流れやすくなります。
近い位置にある窓だけを開けた場合は、窓の周辺だけで空気が出入りし、部屋の中央や奥に空気が残ることがあります。
ダイキンも、2カ所の窓を開けて空気の通り道をつくり、できれば対角線上の窓を選ぶ方法を案内しています。
手順は次のとおりです。
- 離れた位置にある2つの窓を開ける
- 一方を空気の入口にする
- もう一方を空気の出口にする
- 出口側の窓付近にサーキュレーターを置く
- 風が屋外へ向かうように調整する
外から自然に風が入ってくる窓が分かる場合は、そちらを入口にすると空気の流れをつくりやすくなります。
風が通りにくいときは入口を小さく、出口を大きくする
窓を2カ所開けても、風があまり通らないことがあります。
その場合は、空気が入ってくる側の窓を小さめに開け、空気を出す側の窓を大きめに開けてみましょう。
ダイキンは、空気が小さい隙間から入り、大きい隙間から出ていきやすい性質を利用した窓の開け方を紹介しています。
ただし、窓の位置や形、屋外の風向きによって結果は変わります。
決まった開口幅があるわけではないため、実際の風の流れを確認しながら調整してください。
窓が1つしかない部屋の換気方法
窓が1つしかない場合は、部屋のドアも開けて空気の入口をつくります。
窓と部屋のドアを開ける
次の順番で換気します。
- 部屋の窓を開ける
- 部屋のドアも開ける
- サーキュレーターを窓の近くに置く
- 風を窓の外へ向ける
サーキュレーターによって室内の空気が窓から排出されると、開けたドア側から別の空気が入りやすくなります。
ダイキンも、窓が1つしかない部屋では、ドアを開けて扇風機などを窓の外へ向ける方法を案内しています。
隣の部屋に窓がある場合
隣の部屋に窓がある場合は、次の場所を開けます。
- 換気したい部屋の窓
- 部屋同士をつなぐドア
- 隣の部屋の窓
家の中に長い空気の通り道をつくるイメージです。
途中にあるドアを開け、家具や荷物で風の通り道がふさがれていないかも確認してみましょう。
窓がない部屋は換気扇や24時間換気を活用する
浴室や洗面所、納戸など、窓がない部屋もありますよね。
その場合は、部屋のドアを開けて、サーキュレーターで廊下や換気扇のある方向へ空気を送ります。
キッチン、洗面所、浴室などの水回りでは、使用後に換気扇を回し、周囲に残った水分を拭き取ることも湿気対策につながります。
24時間換気の給気口をふさがない
24時間換気システムが設置されている住宅では、基本的にスイッチを切らず、給気口も開けた状態で使用します。
ダイキンは、換気口を閉じたり24時間換気を停止したりすると、本来の換気機能を発揮できないため、常時オンにして正しく使用するよう案内しています。
家具やカーテンで給気口が隠れていないか、フィルターにほこりがたまっていないかも確認しましょう。
具体的な運転方法やお手入れについては、住宅設備の取扱説明書や管理会社の案内を優先してください。
「5分で湿度20%ダウン」は条件が整った場合
ウェザーニュースの記事では、約6畳で室内湿度が80%近い場合、屋外の湿度などの条件によっては、効率的な窓開けとサーキュレーターによる5分間の換気で、湿度が「20%以上」下がる可能性があると紹介されています。
ただし、すべての部屋で同じ結果になるわけではありません。
元記事では、次のような詳しい測定条件までは示されていません。
- 換気前後の室温
- 屋外の気温と湿度
- 換気後の具体的な湿度
- 窓の大きさや開口幅
- サーキュレーターの風量や機種
- 屋外の風向きや風速
そのため、サーキュレーターを5分使えば、必ず湿度が20%下がるとは言い切れません。
部屋の広さや窓の位置、外気の状態によって結果が変わる、条件付きの情報として捉えましょう。
換気時間は短時間をこまめに
一般的な窓開け換気について、ダイキンは1時間に5~10分程度を目安として紹介しています。
また、1時間に10分間を1回行うより、5分間を2回行う方が、空気の入れ替えには効果的としています。
ただし、これは一般的な換気方法の目安であり、湿度がどれだけ下がるかを保証するものではありません。
外の暑さや室内の状態を確認しながら、無理のない範囲で換気してください。
外が蒸し暑い日でも窓を開けてよい?
外の空気が室内より乾いている場合は、窓開け換気によって湿気を逃がしやすくなります。
一方、外の空気にも多くの水分が含まれている場合や、外気温が非常に高い場合は、窓を開けても快適にならないことがあります。
ここで注意したいのが、天気予報や温湿度計に表示される「湿度」です。
一般的に表示される湿度は相対湿度で、空気中の水蒸気量だけでなく、そのときの気温によっても数値が変わります。
気象庁は、相対湿度を、その気温で空気が含むことのできる水蒸気量に対する実際の水蒸気量の割合と説明しています。
そのため、屋外が60%、室内が70%と表示されていても、数字だけを見て「外の方が必ず乾いている」とは判断できません。
反対に、雨の日で相対湿度が高くても、窓開けが必ず逆効果になるとも限りません。
室内外の気温差によって、相対湿度の数字の意味が変わるためです。
難しい計算をする必要はありませんが、次のような場合は窓を閉め、エアコンや除湿機へ切り替えましょう。
- 換気すると室温が上がる
- 蒸し暑さが強くなる
- 雨が室内へ吹き込む
- 冷房を使っても暑さを感じる
- 体調に不安を感じる
換気・冷房・部屋干しではサーキュレーターの向きが異なる
サーキュレーターの置き方は、何のために使うかによって変わります。
湿気や熱気を換気で逃がす場合
窓を開け、排気する窓の近くにサーキュレーターを置きます。
風が窓の外へ向かうように角度を合わせ、反対側の窓やドアから空気が入る状態をつくりましょう。
エアコンの冷気を循環させる場合
冷房中に室内の空気を循環させたい場合は、窓を閉めて使用します。
冷たい空気は部屋の下側、暖かい空気は上側にたまりやすいため、サーキュレーターなどで空気を循環させると温度ムラを抑えやすくなります。
ただし、最適な置き場所は、エアコンの位置や部屋の形、家具の配置によって異なります。
換気するときの「窓際・外向き」と、冷房中の「室内循環」を混同しないようにしましょう。
部屋干しを乾かす場合
部屋干しでは、洗濯物の周りに湿った空気がたまりやすくなります。
サーキュレーターで洗濯物の間に風を通すと、衣類の表面にある湿った空気を動かしやすくなります。
ただし、サーキュレーターだけでは、洗濯物から出た水分を室外へ取り除けません。
窓を開けられない日は、換気扇、エアコンの除湿機能、衣類乾燥除湿機などと組み合わせましょう。
窓開け換気を控えた方がよいケース
窓開け換気は手軽ですが、天候や住環境によっては控えた方がよい場合もあります。
外気温が高く、室温が上がるとき
真夏の日中に窓を開けると、外の熱い空気が入り、かえって室温が上がることがあります。
環境省の熱中症対策資料では、室温と湿度を確認し、暑いときは我慢せずに冷房を使うことが案内されています。
冷房運転は室温を下げるとともに除湿も行うため、真夏の蒸し暑い日に適しています。
暑さを我慢してまで、窓開けだけで湿度を下げようとする必要はありません。
窓を開けると暑くなる場合は、熱中症予防を優先し、エアコンを適切に使用してください。
雨や強風が吹き込むとき
雨が室内へ吹き込むと、床やカーテンがぬれて室内の水分が増えてしまいます。
また、一般的なサーキュレーターは室内用の電気製品です。
雨が本体にかかる場所や、不安定な窓枠には置かず、換気扇やエアコンの除湿機能を利用しましょう。
防犯上、窓を開けられないとき
外出中や就寝中など、防犯面に不安がある時間帯は、無理に窓を開けたままにしない方が安心です。
窓開け換気は在宅中の短時間にとどめ、24時間換気システムや換気扇を活用しましょう。
換気の効果は温湿度計も参考にする
サーキュレーターを使った換気の効果は、部屋の環境によって変わります。
温湿度計を使う場合は、次のような場所を避けて設置しましょう。
- 直射日光が当たる場所
- 窓のすぐそば
- エアコンの吹き出し口付近
- サーキュレーターの風が直接当たる場所
- キッチンや浴室のすぐ近く
普段過ごしている場所の近くで、換気前後を同じ条件で確認すると変化を比べやすくなります。
環境省も、皮膚感覚だけでなく温湿度計で室内環境を確認するよう案内しています。
ただし、相対湿度は室温の変化によっても上下します。
換気後に湿度の数字が少し上がったからといって、必ずしも室内の水分が増えたとは限りません。
湿度の数字だけでなく、室温、蒸し暑さ、雨の吹き込み、体調なども合わせて判断しましょう。
サーキュレーターを使った湿気対策のよくある質問
サーキュレーターは窓から何cm離して置けばよい?
記事作成時点で、すべての製品や部屋に共通する一律の距離は確認できませんでした。
カーテンを巻き込まず、雨がかからず、転倒しない場所で、空気を排出する窓の近くに置きます。
取扱説明書に壁やカーテンからの距離が指定されている場合は、そちらを優先してください。
換気するときに首振りは必要?
風が窓の外へ向かうことが大切です。
首振りと固定のどちらが適しているかは、窓の大きさやサーキュレーターの可動範囲によって変わります。
風が室内へ戻ってしまう場合は、窓の外へ向かうように角度や運転方法を調整しましょう。
風量は強い方がよい?
すべての部屋に共通する最適な風量はありません。
部屋の広さ、窓の位置、サーキュレーターの送風能力、運転音などに合わせて調整してください。
強い風量でカーテンが大きく揺れたり、本体が不安定になったりする場合は、安全を優先しましょう。
扇風機でも代用できる?
扇風機でも、窓へ向けて風を送り、換気を助けることはできます。
ダイキンの換気方法でも、窓が1つの場合に扇風機などを窓の外へ向ける方法が紹介されています。
一般的に、扇風機は広い範囲に風を送り、人が涼むことに向いています。
一方、サーキュレーターは直線的な風を送り、室内の空気を循環させることに向いています。
窓までの距離が近い場合は、扇風機でも換気を助けられるでしょう。
エアコンの除湿と併用できる?
サーキュレーターとエアコンの除湿機能は併用できます。
短時間の換気を終えたら窓を閉め、エアコンで除湿しながらサーキュレーターで室内の空気を循環させる方法があります。
ただし、除湿方式や適切な設定はエアコンによって異なるため、取扱説明書を確認してください。
冷房と除湿では、室温や湿度への働き方が異なります。
一日中つけっぱなしにしてもよい?
連続運転できる時間や使用条件は、製品によって異なります。
必ず取扱説明書を確認し、メーカーが定めた使い方に従いましょう。
吸気口や羽根にほこりがたまると運転効率が落ちることがあるため、定期的なお手入れも必要です。
異音、焦げたようなにおい、電源プラグの異常な発熱などを感じた場合は、すぐに運転を停止してください。
まとめ|湿気を逃がすなら窓際から外向き
部屋にこもった湿気や熱気を換気で逃がしたいときは、
サーキュレーターを窓の近くに置き、風を屋外へ向けるのが基本です。
反対側の窓や部屋のドアを開け、空気の入口と出口をつくりましょう。
窓が2カ所ある場合は、できるだけ対角線上の窓を開けると、部屋全体に空気の通り道をつくりやすくなります。
窓が1つしかない場合は、部屋のドアを開け、サーキュレーターを窓から外向きに設置します。
ただし、サーキュレーターそのものに、空気中の水分を取り除く除湿機能はありません。
外が高温多湿の日や、窓を開けると室温が上がる日は、エアコンの冷房・除湿機能、除湿機、換気扇、24時間換気システムを上手に活用してください。
また、「5分で湿度が20%以上下がる可能性がある」という情報は、屋外の湿度や部屋の広さ、窓の位置など、条件が整った場合のものです。
すべての部屋で同じ結果になるとは限りません。
室温や体調も確認しながら、ご自宅の間取りと天候に合った方法で、無理なく快適な室内環境を整えていきましょう。
