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泥団子がピカピカ光るのはなぜ?隠された左官の技術とは

多くの人が子供の頃に泥団子作りに夢中になった経験があるのではないでしょうか?

私も子供の頃、友達よりも丈夫でピカピカと光る泥団子を作ろうと、幼いながらに工夫を凝らし研究したものでした。

そういえば、
泥団子はなぜ光るのでしょうか?

大人になった今、懐かしい思い出とともに幼い頃の疑問について調べてみました。

泥団子がピカピカ光るのはなぜ?

まず泥団子の作り方を簡単に振り返ってみましょう。

1. 粘土質の泥を団子にする。
  この時、どれだけ完璧な球体を作るれる
  かが、泥団子作りのキーポイントです。
 
(小石などの異物が混ざると割れやすくなるので、良質な泥を求めて子供ながら深く掘ったものでした。)

2. サラサラの砂を泥団子に振りかける。

3. 泥団子の水分が砂を湿らせるのを少しだけ待つ。

4. 柔らかい布で磨く。

これが私が子供の頃、泥団子作りの名人の友達から伝授された作り方です。

さて、泥団子がなぜ光るかというと

・滑らかな表面に付着した仕上げの砂の
 細かい粒子が均一な方向を向くことで
 光を均一に反射しているからなんです。

・最初に作る球体がキレイであること、
・仕上げの砂は粒子の細かいものであること、

・乾いた布で磨くことで
 粒子が均一な方向を向く、
 
多くの泥団子名人が子供から子供へと伝承した泥団子の作り方には、泥団子がなぜピカピカ光るのかという理由の答えがちゃんと詰まっていました。

経験と工夫から生まれる子供の知恵は侮れませんね。

泥団子に隠された左官の技術

ピカピカと光る泥団子の秘密、実はこれと同じ原理が古くから日本の左官の技術にも使われています。

それは「大津磨き」です。

土に石灰と藁を混ぜたものを何層にも重ね、表面を滑らかに整え、絶妙なタイミングで完璧に磨き上げることによって土壁がまるで鏡のように光り輝く大津磨きは、大変な手間のかかる職人さんの腕の見せどころと言える左官技術です。

「大津磨き」と検索すると、非常に美しい日本情緒あふれる建築物を見つけることが出来ます。

歴史的建造物と泥団子、まったく別のものに思える両者に同じ秘密な隠されているとは、面白いですね。

大人もはまる泥団子の魅力

書店や100円ショップ、ガチャガチャにも登場した泥団子作りのキットを欲しがるのは子供だけではなく、私のようなモノづくりが大好きな大人も泥団子の魅力の虜になっていることでしょう。

実は私は子供と作る、を言い訳に何度も泥団子作りのキットを買っています。

なぜ、大人が泥団子にこれほど心惹かれるのでしょうか?

粘土で作った球体に精神を集中し、表面を削り、仕上げの粉を振りかけては布で磨くという地道な作業は大人の心にある汚いものを一瞬でも消え去ってくれます。

更に、出来上がったピカピカと光る泥団子を見る時、私たちは達成感に包まれとっても幸せな気持ちになれるのです。

たった数百円でこれ程、大人の心を満たしてくれるものが泥団子のほかにあるでしょうか?

そんな訳で、我が家の玄関にはピカピカ光る泥団子がいくつも飾られています。

大理石のようにピカピカと輝く泥団子や惑星のような模様を付けた泥団子、我が家では私が一番ハマっていると言えるでしょう。

泥団子のピカピカとした輝きには大人の心をもとらえてしまう魅力があるのです。

泥団子は〇〇が形を変えたもの

いかがでしたか?

なぜ、泥団子はピカピカと光るのか?という疑問にお答えできたでしょうか?

泥団子を見ていると幼い日に最高の泥団子を作るため、混じりけのない良質の粘土を求めてひたすらに地中深く掘り進めたこと、

サラサラの砂を振りかけては磨くという単純作業に没頭したことを思い出します。

今思えばなぜ、あんなにも泥団子に夢中になったのでしょうか?

公園の土でキレイな泥団子を作ったところで誰も褒めてはくれないし、むしろ服が汚れると家に帰れば叱られることが分かっているのにです。

あの頃はきっと、人から褒められるとか報酬をもらうとか見返りを求めずに、ただひたすらに無心で何かを追い求める情熱を持っていたのでしょう。

一生懸命やったのに結果が出せなかった悔しさ、誰からも評価してもらえないジレンマ、そういったものに心を支配された時、私は泥団子を見てあの頃の気持ちを思い出します。

そして、あの頃の情熱はまだ自分の心の中にあることを幸せに感じ、いつの日にかそれがピカピカと光る泥団子のように形になるだろうと信じて心を落ち着けます。

固い岩が長い年月を経て泥と砂になり、それがまた人の手によって違った姿で生まれ変わるように