風薫る5月、青空に泳ぐ鯉のぼりが季節の訪れを告げる頃、5月5日の「端午の節句」がやってきます。この日は「こどもの日」であると同時に、男の子の健やかな成長を願う大切な行事でもあります。
とくに赤ちゃんが初めて迎える端午の節句は「初節句」と呼ばれ、家族にとって特別なイベントです。祖父母と一緒に祝うケースも多く、五月人形や鯉のぼりの準備、食事会の計画など、何をどうすれば良いか悩むパパママも多いのではないでしょうか?
この記事では、「初節句の費用は誰が負担するのか?」という疑問に答えながら、祖父母との分担方法、鯉のぼりや五月人形の準備、食事会の費用とマナーについて、現代の家庭事情に即してわかりやすく解説します。
初節句のお祝い金の相場と祖父母の役割
初節句は、祖父母からお祝いをいただくことが一般的です。とくに初孫の場合は、昔ながらの習わしに従い「盛大に祝いたい」と思うご家庭も多く、金額も比較的高額になる傾向があります。
▶お祝い金の相場
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一般的な相場:5万円~30万円
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高額になる理由:五月人形や鯉のぼりなどの購入費用を含むため
家庭によっては「初節句だけはしっかりお祝いするが、それ以降は特に何もしない」という方針もあります。一方で、特別な贈り物はなくとも、ちょっとしたお小遣いを包む祖父母も。
補足:
一般的には、父方の祖父母から内孫へのお祝いは3万円〜20万円、母方の祖父母から外孫へのお祝いは10万円〜30万円とされることが多いようです。ただし、家庭の事情や地域性によって異なるため、両家で事前に話し合うことが大切です。
金額の多寡にかかわらず、きちんと感謝の気持ちを伝えることが、円満な家族関係のカギとなります。
鎧兜・鯉のぼりは誰が用意する?今どきの分担事情
昔は母方の祖父母が鎧兜や鯉のぼりを用意するのが一般的でしたが、現在では家庭によってさまざまなスタイルがあります。
▶現代の主なパターン
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両家で費用を分担
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一方が鎧兜や鯉のぼりを購入、もう一方が食事会費用を負担
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子世帯が費用を出して、祖父母が選びをサポート
補足:
昔ながらの習慣では、母方の祖父母が五月人形や鎧兜、父方の祖父母が鯉のぼりを用意するという風習がありました。近年はこの区別があまり重視されなくなっており、柔軟な分担や子世帯の主導で選ぶケースも増えています。
マンションなどの集合住宅では、大きな鯉のぼりが飾れないケースもあるため、室内用のコンパクトな飾りを選ぶ家庭も増えています。
「せっかく買っても飾れない…」とならないためにも、祖父母の気持ちを大切にしつつ、事前に相談・一緒に選ぶスタイルがオススメです。
食事会の費用は誰が払う?無理なく楽しむ方法
初節句のお祝いでは、祖父母を招いての食事会を開くご家庭も多くあります。
▶費用の負担は?
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一般的には子どもの親(パパママ)が主催・負担
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おもてなしの意味を込めて、招待側が出すのがマナー
ちらし寿司、ちまき、柏餅など季節を感じる料理で華やかに演出できますが、共働き家庭では準備が大変なことも。
▶外食も選択肢の一つ
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無理して手料理にこだわらず、ファミレスや個室のあるお店での外食も◎
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重要なのは「一緒に楽しい時間を過ごすこと」
補足:
遠方の祖父母からお祝いをいただいた場合は、内祝いとして「1/3〜半額程度」のお返しを贈るのが一般的です。また、のし紙には紅白の蝶結びを使い、表書きには「初節句御祝」または「御祝」と記載するのがマナーです。
食後には、「鎧兜や鯉のぼりをありがとうございました」と感謝の気持ちを直接伝えると、祖父母の心にも残る素敵な時間になります。
初節句の費用・準備 早見表
項目 | 一般的な負担者 | 費用相場 |
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鎧兜 | 母方祖父母(現代は柔軟) | 5万~20万円 |
鯉のぼり | 父方祖父母(地域差あり) | 3万~10万円 |
食事会費用 | 子どもの両親(主催者) | 5千~1万円/人 |
お祝い金 | 両家の祖父母 | 1万~30万円 |
よくある質問(Q&A)
Q:祖父母同士の金額バランスは気にするべき?
A:必ずしも等分である必要はありません。お互いに無理のない形で分担すればOKです。
Q:マンション住まいでも鯉のぼりを飾れる?
A:コンパクトな室内用鯉のぼりが多数販売されており、人気です。
Q:外食は失礼にならない?
A:まったく問題ありません。家族の負担を減らして笑顔で過ごすことが一番大切です。
我が家の初節句エピソード|祖父母に喜ばれた工夫
我が家では長男の初節句に、祖父母からいただいたお祝い金で室内用の鯉のぼりを購入しました。マンション暮らしだったため、飾りやすさと華やかさを兼ね備えたものをネットで探して決定。
当日はその鯉のぼりの前で家族写真を撮影し、すぐに祖父母へスマートフォンで送信。後日、プリント写真に手書きのお礼状を添えて郵送したところ、遠方に住む祖父母もとても喜んでくれました。
まとめ|大切なのは“かたちより気持ち”
現代の家庭は多様化しており、節句の祝い方もさまざまです。しかし、祖父母の「孫を祝いたい」という気持ちはいつの時代も同じ。
形式や金額にとらわれず、家族で話し合って無理のないスタイルを選ぶことが一番です。
真心のこもった対応を心がければ、どんな形であっても素敵な思い出になります。皆さまのご家庭でも、温かく思い出に残る端午の節句を迎えられますように。