子どもの健やかな成長を願って飾ってきた五月人形。端午の節句に毎年飾っていた方にとっては、家族の思い出がたくさん詰まった大切な存在です。
しかし、子どもが成長し飾らなくなったり、引っ越しや住まいの整理のタイミングで「この五月人形、どう処分すればいいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、五月人形を手放す時期の目安から、自治体での処分方法、供養、売却やリサイクルなど、後悔しないための選択肢を詳しくご紹介します。
五月人形を手放すタイミングに決まりはないが、家庭の節目が目安になる
まず知っておきたいのは、五月人形の処分には「これが正解」という決まった時期はないということです。ただ、実際には以下のような節目を機に手放す家庭が多いようです。
七五三や小学校入学・卒業を機に
昔の日本では、7歳までは「神の子」とされ、無事に7歳を迎えることが一つの大きな区切りと考えられていました。そのため、七五三や小学校入学などを一つのタイミングに、五月人形をしまう家庭もありました。
元服(15歳)や中学・高校進学の時期
中学生や高校生になると、多くの家庭で五月人形を飾らなくなる傾向があります。昔の日本では15歳で「元服」という成人儀式が行われていたことから、15歳を節目として処分や供養を考えることもあります。
成人・独立・結婚のタイミング
成人や就職・結婚などで子どもが実家を離れるときに、思い出の整理として手放すケースも少なくありません。
無理に処分しなくてもいい
五月人形には「災いから子どもを守る」という意味合いもあります。必ず処分しなければいけないものではなく、「ありがとう」「これからも見守っていてね」という気持ちで飾り続ける家庭もあります。迷ったときは、家族で話し合い、心の整理がついたときがタイミングです。
自治体のルールに従ってごみとして処分する方法
五月人形を処分するもっとも一般的な方法の一つが、自治体のごみ収集に出す方法です。ただし、地域によって分別や扱いが異なるため、事前に確認が必要です。
コンパクトなサイズなら家庭ごみで出せる場合も
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小型の人形は、不燃ごみまたは可燃ごみに分別されることがあります。
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そのまま袋に入れて出すのが気になる場合は、白い布や新聞紙で包んで出す人もいます。
大型の飾りや台座がある場合は粗大ごみ扱いに
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兜飾りや段飾りなど1メートルを超えるサイズのものは、粗大ごみとして扱われるのが一般的です。
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事前に粗大ごみの申し込みが必要で、収集費用は300〜800円程度が相場です。
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飾り台やガラスケースなどは分解して素材ごとに分別する必要があるケースもあります。
※詳細は各自治体のホームページで確認しましょう。「五月人形 ○○市 粗大ごみ」などで検索するのが便利です。
大切に使ってきたからこそ「売る・譲る」選択肢も
「捨てる」だけが手放し方ではありません。状態の良い五月人形は、リサイクルや再利用の道もあります。
リサイクルショップ・買取業者で売却
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有名作家の手作り品や伝統工芸品、高級メーカー製のものは、高額査定される可能性があります。
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ただし、中古市場では需要が限られているため、事前に電話やメールで問い合わせを。
宅配買取・出張買取を活用すれば手間いらず
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段ボールに詰めて送るだけの宅配買取や、自宅まで来てくれる出張査定など便利なサービスも増えています。
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業者によっては無料で査定してくれるところも。
メルカリ・ヤフオクなどのフリマアプリで販売
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自分で価格を決めて販売できるため、納得感があります。
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写真撮影や梱包、発送など手間はかかりますが、思い出にけじめをつける方法として人気があります。
知人や施設に譲る場合の注意点
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保育園や幼稚園、児童福祉施設に寄付するという方法も。
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ただし、五月人形は「厄を引き受けてくれた存在」と考える地域もあるため、譲渡には相手の理解と同意が必要です。
感謝を込めて送り出す「人形供養」という選択肢
「感謝の気持ちを込めてきちんとお別れをしたい」「そのまま捨てるのは抵抗がある」という方におすすめなのが、人形供養です。
神社やお寺での人形供養
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各地の神社・寺院では、雛人形やぬいぐるみと同様に、五月人形の供養も受け付けています。
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供養方法:焼納(しょうのう)やお焚き上げで天に還す
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持ち込み可/郵送可の施設もあり便利です。
有名な人形供養を行う神社・寺院
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東京都「明治神宮」:郵送での受付あり
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京都「市比賣(いちひめ)神社」:人形供養で有名
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各地域の寺社でも、人形供養祭を年に一度行うところがあります。
専門業者のオンライン供養サービスも充実
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人形供養を代行してくれる専門業者では、写真付きで供養の様子を報告してくれるところも。
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料金相場は1体1,000〜3,000円程度。
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段飾りや多数ある場合は、ダンボール単位での受付・一括供養が可能なことも。
手間なく処分したいなら「不用品回収業者」に依頼する方法も
時間がない、手間をかけたくない、他にも処分品がある…そんな方には、不用品回収業者に依頼する方法もあります。
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自宅まで回収に来てくれるので搬出の手間がない
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他の家具や家電なども一括で処分できる
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一部の業者では「供養付きプラン」が用意されていることも
費用は業者によって異なるため、複数の業者に見積もりを取って比較することが重要です。
【まとめ】心が納得できる方法で、感謝を込めて手放そう
五月人形は、子どもの健康と成長を祈って家に迎えられた、大切な存在です。そのため、処分するときにも「気持ちに区切りをつけたい」「感謝を込めて手放したい」と思うのは当然のこと。
選択肢はいくつもありますが、大切なのは自分や家族が納得できる方法で手放すことです。
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地域ルールに従って丁寧に処分する
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誰かに譲ったり、売って再活用してもらう
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供養して「ありがとう」の気持ちを形にする
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手間なく業者に任せる
どの方法を選んでも、そこに心がこもっていれば、五月人形にとっては幸せな旅立ちになるはずです。ぜひ、あなたにとってベストな選択肢を見つけてくださいね。