半夏生って聞いたことありますか?
「はんげしょう」と読み、
この日には各地で行事食として
タコやうどんが食べられるそうです。
それだけ聞いても「何だそれ?」ですよね。
行事食の由来や意義、
豆知識についても調べたので、
くわしく見ていきましょう。
半夏生にたこを食べるのはなぜ?
節分やお彼岸などと同じ、
雑節(ざっせつ)のひとつである半夏生。
夏至の10日後
(夏至から数えて11日目)で、毎年7月2日頃
梅雨明け、畑仕事終了、田植え終了などの
目安とされているそうです。
一般的には、あまりなじみのない日ですが、
農業においては大切な節目とされてきました。
そんな半夏生にたこを食べるのは、
おもに近畿地方の一部で見られる風習です。
農作物が、たこの足のように、
四方八方にしっかり根付くこと。
たこの足の吸盤のように、
たくさん実ること。
この二つを願っているのだと言われます。
半夏生は農業において、
豊作を祈る行事だったのです。
そう聞くと「なるほど」と思いますが、
発想力がすごいですよね。
7月2日が「タコの日」とされていたのも
半夏生が理由ですが、
普及活動の継続が難しくなったことから、
数年前に登録は削除されています。
すこし残念ですね。
半夏生にうどんを食べるのはなぜ?
半夏生の行事食がうどんなのは、
疑うまでもなく香川県です。
普段から食べてるじゃん。
と思ったのは私だけではないはず。
でもこれにもちゃんと由来があって、
麦の刈り入れが終わる半夏生の時期に、
農作業を手伝ってくれた人たちのために、
収穫したばかりの麦を使ってうどんを打ち、
みんなに振る舞った。
という風習がかつてあったそうで、
その名残りなんだそうです。
7月2日は「うどんの日」です。
香川県ではいろんな催し物がされるようですよ。
半夏生の行事食の意義
タコやうどんのほかに、
福井県のサバも半夏生の有名な行事食です。
タコは、疲労回復に効く
アミノ酸の一種タウリンが豊富。
うどんは、消化がよく、すぐにエネルギーになる。
サバは、代謝を助けるビタミンB群がたっぷり。
農作業で疲れたときや、
これから暑さ厳しくなる夏を前に、
これらを食べて栄養補給するのは、
とても理にかなっています。
昔の人の知恵に脱帽ですね。
半夏生の豆知識
どうして、この日までに農作業を
終えなければならないとされてきたのかは、
季節や気候の影響が一番だとは思いますが、
ほかにも気になる説を見つけたので紹介します。
半夏生の日には、「空から毒気が降ってくる」
と俗に言われていたそうなのです。
だから、前の晩のうちに井戸にフタをしたり、
この日に種をまくこと・野菜を収穫することを
避けたりしていました。
地面から毒草が生えてくる、という話もあります。
山菜を摘むことも厳禁だったとか。
だからこそ、半夏生までに田植えを終了し、
これ以降は田植えを行わない、という風習が
できあがったようです。
また、半夏生の時期に降る雨のことを
半夏雨(はんげあめ)と呼び、
大雨になることが多いそうです。
梅雨明けの目安とはいえ、
夏至の10日後、7月初旬は、
梅雨は明けていないことがほとんどですよね。
まとめ
半夏生は夏至の10日後、
夏至から数えて11日目。
農作業を終える目安とされてきた。
日本各地で行事食を食べる風習があるが、
タコ、うどん、サバなど、地域によって
食べるものはまったく違う。
なじみのない半夏生について、
すこしは身近に感じることができたでしょうか?
2017年の半夏生は、7月2日です。
この日の天気や季節のニュースをすこし気にしてみて、
タコやうどんを食べてみてはいかがでしょう?
日本の古き良き文化を
語り継いでいきたいですね。