赤い羽根募金ってなに?親子で知っておきたいやさしい募金活動
「赤い羽根募金ってどういうもの?」「どうして羽根を胸につけるの?」
そんな疑問を持つお子さんや、それをやさしく伝えたい大人のために、この記事では赤い羽根募金の意味、歴史、使い道まで、わかりやすくご紹介します。
また、親子の会話のきっかけとして、学校や地域での募金活動に参加する際にも役立つ内容をまとめています。
赤い羽根共同募金とは?目的を簡単に説明
赤い羽根共同募金は、地域で暮らす高齢者や障がいのある方、子どもたちを支えるための全国的な募金活動です。毎年10月1日から12月31日までの約3か月間、日本全国で行われています。
この募金は厚生労働省の告示に基づいて実施され、12月には「歳末たすけあい募金」として、年末に向けた支援活動も行われています。特に寒さが厳しくなる季節に向けて、暖房器具の支援や、孤立しがちな高齢者のケア活動にも活用されています。
赤い羽根のはじまりは戦後の日本から
赤い羽根募金は、1947年(昭和22年)にスタートしました。第二次世界大戦後、生活に困っていた人々を地域で助け合おうと、自主的に募金が始まったのがきっかけです。
当時の日本は、戦後復興の真っただ中。家や職を失った人、孤児となった子どもたち、高齢の方々が支援を必要としていました。そのため、「自分たちの地域のことは自分たちで支えよう」という精神が広がっていきました。
第1回の募金活動では、約6億円が集まり、現在の価値に換算すると1,200億円〜1,500億円相当とされています。その後、制度として整えられ、「赤い羽根共同募金」として全国に広がりました。
実はアメリカ発祥?赤い羽根のルーツ
赤い羽根募金のルーツは、1913年のアメリカ・オハイオ州で行われた地域の助け合い運動にさかのぼります。この活動の考え方が日本にも伝わり、1947年に日本での赤い羽根募金が始まりました。
1948年(第2回)からは、募金に協力してくれた人への感謝のしるしとして「赤い羽根」が配られるようになりました。この羽根は、当時アメリカで用いられていた「赤く染めた水鳥の羽根」にヒントを得たもので、日本ではニワトリの羽根を使用。「ぬくもり」や「やさしさ」を象徴しています。
今では環境配慮から人工羽根も使われていますが、その想いは変わっていません。
「1人10円」でいいの?寄付金額の意味と自由さ
「赤い羽根って、1人10円でいいの?」という声もありますが、これは1947年の第1回募金活動で、1人9円を目標にしていたことが由来です。
その後、「1人10円」として呼びかけられるようになりましたが、金額は自由です。無理のない範囲で、誰でもやさしい気持ちで参加できる募金です。
お子さんにおこづかいの中から少し募金してもらうという経験も、「思いやりの心」を育む良いきっかけになります。
募金はどこに使われるの?使い道を紹介
集まった募金は、各都道府県の「共同募金会」を通して、地域の福祉施設やボランティア団体などへ公平に届けられます。これらの活動は「配分委員会」によって審査され、地域の実情に合った使い道が決定されます。
具体的には:
- 高齢者の見守りや配食サービス
- 障がいのある方の生活サポート
- 子育てサークルや放課後クラブの運営
- 災害時の緊急支援や避難所での支援
- 地域交流イベントの運営支援
など、地域ごとのニーズに応じて大切に使われています。
実際の支援活動の事例を紹介【地域でこんなことに使われています】
たとえば、
- 北海道では高齢者の買い物支援ボランティアに活用
- 大阪府では子育て支援広場の運営に一部使用
- 熊本県では地震後の仮設住宅での生活支援に役立てられた
- 東京都では外国人家庭への多言語子育て講座に一部活用
- 福岡県では若年層のひきこもり支援にも取り組み
このように、赤い羽根募金は地域社会のさまざまな課題に寄り添い、具体的な支えとなっているのです。
子どもと一緒にできる!赤い羽根募金の体験アイデア
- 学校や保育園での募金体験に参加してみる
- 親子で「どんな人に届けたいか」話してみる
- 赤い羽根を工作で手作りして、感謝の気持ちを込める
- 募金後に一緒に使い道を調べてみる
お金だけでなく、思いやりや気持ちを育むきっかけにもなります。大切なのは「参加したこと」より、「なぜ参加したのか」を考えること。その気持ちこそが、赤い羽根募金の原点です。
募金ってちゃんと使われてるの?信頼性のしくみ
「ちゃんと使われているの?」と心配になる方もいらっしゃると思います。
赤い羽根募金は、社会福祉法に基づく民間運動で、各都道府県の共同募金会が「配分委員会」を設置し、公平性・透明性のある分配を行っています。使い道は報告書として毎年公表され、誰でも確認することができます。
さらに近年では、Webサイト上で寄付先や使い道を確認できるようになっており、「見える化」も進んでいます。安心して募金できる環境が整っているんです。
赤い羽根のキャラクター「愛ちゃん・希望くん」とは?
1986年(昭和61年)に誕生した赤い羽根募金のキャラクター、兄妹の「愛ちゃん」と「希望くん」。
- 愛ちゃん:しっかり者のお姉さん
- 希望くん:元気で素直な弟
全国から公募されたデザインの中から選ばれ、漫画家の田中道明さんが描いたこのキャラクターは、赤い羽根募金をもっと身近に感じてもらえるようにとの願いから誕生しました。
今もなお多くのポスターやイベントで活躍し、子どもたちとのふれあいの中で、支援の輪を広げる大切な存在です。