私たちは、毎日の生活の中で当たり前のように「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」を使っています。でも、いざ子どもから「何時になったら『こんにちは』なの?」「まだ明るいのに『こんばんは』って変?」と聞かれると、ちょっと迷ってしまいますよね。
実は、挨拶の境目には“太陽の動き”や“文化的な習慣”が深く関わっています。この記事では、挨拶の時間の目安を、子どもにも説明しやすいようにやさしく解説します。
「どう教えればわかりやすいの?」
「地域で変わるの?」
「日本以外ではどうなの?」
こうした疑問にも丁寧に答えていきます。
「おはよう」と「こんにちは」の境目はいつ?
基本の考え方:太陽が一番高くなる“南中(なんちゅう)”がポイント
「南中」とは、太陽が空の一番高いところに来る時間のことです。
この時間を境に、太陽は東から南、そして西へと傾いていきます。
この動きをもとに、昔から 南中より前は“朝” → おはよう、
南中を過ぎれば“昼” → こんにちは
と考えられてきました。
● 南中はいつ?
地域や季節で差がありますが、一般的には 11時〜12時頃 が多いです。
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冬 → 11時前後
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夏 → 12時前後
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東日本と西日本でも微妙に時間が異なる
NHKや秘書技能検定での扱い(実際のマナー目安)
挨拶の時間には厳密な法律があるわけではありませんが、公共機関やビジネスマナーで使われる目安があります。
NHK(マナーの目安として)
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午前9時まで …「おはよう」
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午前9時以降 …「こんにちは」
調査では「10時でも『おはよう』で違和感がない」という人が3割以上いるという結果もあります。
秘書技能検定のテキスト
ビジネスマナーとして、
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午前10時まで …「おはよう」
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10時以降 …「こんにちは」
と紹介されています。
子ども向けに説明するなら?
「太陽が高くなって、お昼に近づいたら『こんにちは』なんだよ」
「家を出てからしばらくしたら、お昼の挨拶に変わるんだよ」
といった説明がシンプルでわかりやすいです。
「こんにちは」と「こんばんは」の境目はいつ?
基本の考え方:日没と暗さがポイント
「こんばんは」は、“暗くなってから使う挨拶” と覚えるとわかりやすいです。
ただし……
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日没=太陽が沈む時間
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暗くなる=空の明るさが減る時間
は必ずしも同じではありません。
日没後はしばらく明るい(薄明)
太陽が沈んでも、空には青やオレンジの光が残り「薄明(はくめい)」という明るい時間帯が続きます。
そのため、
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沈んでいても明るい → 「こんにちは」
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本格的に暗くなった → 「こんばんは」
と考える人が多いのです。
季節や地域での違い
日没時間は地域や季節によって大きく変わります。
冬
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北海道:16時台でも暗くなる
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本州:17時ごろ
夏
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19時でもまだ明るい地域が多い
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特に沖縄や九州では日が長い傾向
NHKの調査例
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北海道 → 17時ごろに「こんばんは」を使う人が多い
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九州・沖縄 → 18時30分〜19時ごろに変わる人が多数
子ども向けに説明するなら?
「お外が暗くなってきたら『こんばんは』にするよ」
「夕ごはんの時間くらいから『こんばんは』の人が多いよ」
といった説明が理解しやすいです。
なぜ人によって挨拶が違うの?
習慣の違い
学校、職場、家庭、地域によって「いつ挨拶を切り替えるか」は違います。
例:職場では「おはよう」が遅い時間まで使われることがある
芸能界・夜勤の現場などでは、時間帯ではなく
その日初めて会ったときの挨拶=おはよう
が習慣です。
海外の挨拶の境目はどうなっている?
世界の挨拶の時間帯は意外とシンプルです。
| 英語の挨拶 | 使われる時間帯 |
|---|---|
| Good Morning | 朝〜12時まで |
| Good Afternoon | 12時〜夕方ごろ |
| Good Evening | 日が沈んだ後 |
ヨーロッパでも似ています。
文化によって細かい違いがありますが、
「昼12時」が1つのわかりやすい区切りになっている点が日本と違います。
親子で学べる!挨拶クイズ
Q1:午前11時30分。太陽は高い位置。なんて挨拶?
→ こんにちは
Q2:午後4時。まだ明るくて遊べそう。なんて言う?
→ こんにちは
Q3:夏の夜8時。外は真っ暗。なんて言う?
→ こんばんは
Q4:冬の夕方5時。暗くなりはじめたよ。なんて言う?
→ こんばんは(地域差あり)
Q5:夜勤で初めて会社に来た。時間は22時。なんて言う?
→ おはようございます(職場文化)
挨拶時間の早見表
| 挨拶 | 基準 | 時間の一般的な目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| おはよう | 日の出〜南中 | 朝〜11時 | 職場では“最初に会ったとき”の挨拶として使われる場合あり |
| こんにちは | 南中以降〜日没 | 11時〜17〜19時 | 地域や季節で変動 |
| こんばんは | 日没〜夜 | 17〜19時以降 | 暗さによる個人差・地域差あり |
まとめ:挨拶の時間は“太陽”と“文化”で変わる
挨拶の境目には、
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太陽の高さ
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日没時間
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季節
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地域の習慣
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職場・学校の文化
といった多くの要素が関わっています。
「絶対にこの時間!」という法律は存在しないので、
“一般的な目安” を知っておけば十分です。
子どもには、
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「太陽が高いときは『こんにちは』」
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「暗くなったら『こんばんは』」
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「朝起きたら『おはよう』」
という自然な感覚で教えると、楽しく覚えられますよ。

