実は、一般的に流通している食用ピーマンは、種やワタを残したまま加熱調理できます。
農林水産省でも、ピーマンを種ごと炒める料理や、ヘタと種を付けたまま丸ごと焼く料理が紹介されています。
ただし、どの料理でも種を残したほうがよいわけではありません。
肉詰めのように種やワタを取り除いたほうが作りやすい料理もあれば、見た目や食感を整えるために種を取ることもあります。種を残すかどうかは、料理の種類や家族の好みに合わせて決めて大丈夫です。
この記事では、ピーマンの種を取る料理と取らない料理の違い、種ごと調理するときのポイント、丸ごと焼く方法などを分かりやすく紹介します。
ピーマンの種は取らなくても食べられる
結論からいうと、ピーマンの種や白いワタは、残したまま加熱調理できます。
一般的なレシピで種やワタを取り除くことが多いのは、見た目や食感を整えたり、料理を作りやすくしたりするためです。
農林水産省の「ピーマンの種ごと豚バラオイスター炒め」では、ピーマンを種ごと縦4等分に切り、食感のよくないヘタ部分だけを取り除いて調理しています。
また、「丸ごとピーマンの焼き浸し」では、ヘタと種を付けたピーマンを丸ごと使っています。
このように、ピーマンの種は「必ず取り除くもの」ではありません。
一方、農林水産省には、種を取って作るピーマン料理も掲載されています。種を残す方法だけが正解なのではなく、料理に合わせて使い分けることが大切です。
種・ワタ・ヘタはどこまで残せる?
ピーマンの部位ごとの扱いをまとめると、次のようになります。
| 部分 | 基本的な扱い | 調理のポイント |
|---|---|---|
| 果肉 | そのまま使う | 炒め物、煮物、焼き物などに使える |
| 種 | 残して加熱できる | 食感が気になる場合は取り除く |
| 白いワタ | 残して加熱できる | やわらかく加熱すると料理になじみやすい |
| ヘタ | 料理によって判断する | 硬さが気になる場合は取り除く |
農林水産省にはヘタと種を付けたまま調理するレシピがありますが、種ごと炒めるレシピでは、食感のよくないヘタ部分を取り除いています。
普段の炒め物では、硬いヘタだけを取り除き、種とワタを残す方法が取り入れやすいでしょう。
「全部残す」「全部取る」と決める必要はありません。食べにくいと感じる部分だけを取り除いても大丈夫です。
ピーマンの種は取る?取らない?料理別の早見表
ピーマンの種をどうするか迷ったときは、料理の作り方や仕上がりに合わせて判断しましょう。
| 料理 | 種とワタの扱い | 理由・ポイント |
|---|---|---|
| 肉野菜炒め | 残してもよい | 下処理の手間を減らしやすい |
| みそ炒め | 残してもよい | 濃いめの味付けと合わせやすい |
| そぼろ炒め | 残してもよい | 細かく切ると種が目立ちにくい |
| 煮びたし | 残してもよい | やわらかく加熱しやすい |
| 丸焼き | 残して使える | 種やワタまで一緒に加熱できる |
| チーズ焼き | 残してもよい | 具材やチーズと合わせやすい |
| 肉詰め | 取り除くのがおすすめ | 肉だねを詰める空間を作りやすい |
| 青椒肉絲などの細切り | 好みで取り除く | 見た目や食感を整えやすい |
| サラダ・生食 | 好みで取り除く | 加熱しないため種の食感を感じやすい |
農林水産省では、種ごとの炒め物、丸ごとの焼きびたし、ヘタと種を付けたまま作るツナチーズ焼きが紹介されています。
一方、細切りや乱切りにして使う料理では、種を取り除く作り方も一般的です。料理の見た目や食べやすさを優先して選びましょう。
ピーマンの種を残すメリットと気になる点
ピーマンの種を残して調理すると、下ごしらえを簡単にできます。
ただし、見た目や食感が気になることもあるため、メリットと注意点の両方を知っておきましょう。
種取りの手間を減らせる
種を残す場合は、ピーマンを洗って切り、硬いヘタ部分を取り除くだけで下ごしらえができます。
種を一つずつかき出したり、白いワタを包丁で切り取ったりする必要がないため、忙しい日の炒め物にも取り入れやすい方法です。
種やワタを残せば、これまで捨てていた部分を料理に使えるため、食品ロスを減らすことにもつながります。農林水産省も、種やヘタを使うピーマン料理を食品ロス削減レシピとして紹介しています。
種の見た目や食感が気になることもある
種を残すと、切ったり炒めたりする途中で種が外れ、料理の中に散らばることがあります。
味は気にならなくても、白い種の見た目や口に残る感じが苦手という方もいるでしょう。
また、家族から「いつものように取ってほしい」と言われることもあるかもしれません。
食感や見た目の感じ方には個人差があります。家族みんなが食べやすい方法を選んでくださいね。
残すか取るかは好みで決めてよい
ピーマンの種は加熱料理に利用できますが、食べられるからといって必ず残す必要はありません。
例えば、手早く作りたい炒め物では種を残し、見た目を整えたい料理では取り除くという使い分けもできます。
初めて種ごと調理するときは、使うピーマンのうち1個だけ種を残してみるのがおすすめです。
自分や家族の好みに合うかを確かめてから、次回以降の調理方法を決めるとよいでしょう。
ピーマンを種ごと炒める基本的な方法
初めて種ごと調理する場合は、ピーマンを縦半分に切り、中の状態を確認してから炒める方法が取り入れやすいでしょう。
半分に切ってから炒める方法
基本的な手順は次のとおりです。
- ピーマンを流水でよく洗う
- キッチンペーパーなどで表面の水気を拭く
- 縦半分に切る
- 内側に傷みや異物がないか確認する
- 硬いヘタ部分だけを切り落とす
- 種とワタを残したまま食べやすい大きさに切る
- 肉やほかの野菜と一緒に炒める
- 具材に火が通るまで十分に加熱する
農林水産省の「ピーマンの種ごと豚バラオイスター炒め」でも、種付きのピーマンを豚肉と一緒に炒めています。
しょうゆ、みそ、オイスターソースなどを使った炒め物なら、種やワタもほかの具材と合わせやすいでしょう。
種が散らばりにくい切り方
種がまな板やフライパンに散らばるのが気になる場合は、細切りよりも大きめの乱切りや角切りがおすすめです。
包丁を入れる回数が少なくなるため、種とワタが果肉から外れにくくなります。
縦半分に切ったあと、ピーマンを軽く振り、自然に落ちた種だけを取り除いても構いません。
ワタに付いている種まできれいに取る必要はなく、外れやすい種だけを落とす方法なら、手間と食べやすさのバランスを取りやすくなります。
種の食感が気になるときの工夫
種やワタの食感を目立たせたくない場合は、次の方法を試してみてください。
- ピーマンを小さめに切る
- ひき肉やツナと一緒に調理する
- 蒸し焼きにしてやわらかくする
- 煮びたしなど、じっくり加熱する料理に使う
- チーズや少し濃いめの味付けと合わせる
- 外れやすい種だけを軽く落とす
炒める前に、電子レンジで軽く加熱する方法もあります。
電子レンジの加熱時間は、ピーマンの量や大きさ、使用する機種によって異なります。耐熱容器に入れてふんわりとラップをかけ、短い時間から様子を見ながら調整しましょう。
ピーマンを丸ごと焼く方法
ピーマンは、切らずに丸ごと焼くこともできます。
農林水産省では、ヘタと種を付けたピーマンを丸ごと焼き、白だしなどで煮る「丸ごとピーマンの焼き浸し」が紹介されています。
丸ごと調理するのが不安な場合は、縦半分に切って中を確認し、種とワタを残したまま焼いても構いません。
フライパンで丸ごと焼く
農林水産省のレシピを参考にすると、基本的な手順は次のとおりです。
- ピーマンをよく洗う
- 表面の水気をしっかり拭き取る
- フォークで数か所穴を開ける
- フライパンに少量の油を引く
- ピーマンを並べる
- 向きを変えながら全面を焼く
- やわらかくなったら調味料で味を付ける
農林水産省のレシピでは、ピーマンにフォークで4か所ほど穴を開け、フライパンで全面に焼き色を付けています。
すべての丸ごと調理で穴開けが必須と示されているわけではありませんが、同じようにフライパンで丸焼きにする場合は、公式レシピの手順として取り入れるとよいでしょう。
オーブントースターやグリルで焼く
オーブントースターや魚焼きグリルでは、縦半分に切ったピーマンに具材やチーズをのせて焼く方法もあります。
農林水産省の「ピーマンボートのツナチーズ」では、ヘタと種付きのピーマンを縦半分に切り、具材とチーズをのせて、トースターまたはグリルで加熱しています。
使用できる容器やアルミホイルの扱い、加熱時間は機種によって異なります。使用する調理器具の取扱説明書を確認し、焦げ具合を見ながら加熱してください。
ピーマンの種を取り除いたほうがよいケース
ピーマンの種は調理に使えますが、取り除いたほうが作りやすく、食べやすい料理もあります。
肉詰めにする場合
ピーマンの肉詰めでは、種とワタを取り除いたほうが、肉だねを詰める空間を作りやすくなります。
果肉の内側へ肉だねを密着させやすくなるため、料理の作りやすさを優先して種とワタを取り除きましょう。
見た目をきれいに仕上げたい場合
青椒肉絲などの細切り料理や、彩りをきれいに見せたい料理では、種とワタを取ったほうが仕上がりを整えやすくなります。
種を残したまま細く切ると、切っている途中で白い種が外れ、料理の中に散らばることがあります。
お弁当や来客向けの料理など、見た目を重視したいときは、これまでどおり取り除いてよいでしょう。
種の食感を家族が苦手とする場合
ピーマンの果肉は好きでも、種の食感や見た目は苦手という方もいます。
家族が嫌がる場合は、無理に種ごと調理する必要はありません。
種を食べることよりも、料理をおいしく食べられることを優先しましょう。
ピーマンの中を確認したい場合
ピーマンを丸ごと調理すると、内側の状態を確認できません。
虫や異物、傷みなどが気になる場合は、縦半分に切って中を確認してから使うと安心です。
丸ごと調理にこだわらず、半分に切って種とワタを残す方法でも、種取りの手間を減らせます。
種ごと調理するときに確認したいポイント
種ごと調理するときは、種の有無だけでなく、ピーマン全体の状態を確認することが大切です。
洗ったあとの水分を拭き取る
フライパンで焼いたり炒めたりするときは、ピーマンを洗ったあとの水分を拭き取りましょう。
農林水産省の丸ごとピーマンのレシピでも、よく洗ったあとに水気をしっかり拭き取る手順が示されています。
表面に水分が多く残ったまま油の入ったフライパンへ入れると、油がはねることがあります。
丸ごと使うのが不安なら半分に切る
「ピーマンの中に何か入っていないか心配」という場合は、無理に丸ごと調理する必要はありません。
縦半分に切れば、中の状態を確認できます。
そのうえで種とワタだけを残して調理すれば、安心感と手軽さの両方を取り入れられます。
種が黒い場合は果肉の状態も確認する
ピーマンを切ったとき、種が黒っぽく変色していることがあります。
今回確認した農林水産省などの公的資料では、家庭で見つけた黒い種について、食べられるかどうかを一律に判断できる明確な基準は確認できませんでした。
そのため、種が黒い場合は、種を取り除くだけで安全に食べられるとは断定できません。
次の点も確認しましょう。
- 果肉にカビがないか
- 強いぬめりがないか
- 普段と違うにおいがしないか
- 果肉が崩れるほど傷んでいないか
- 広い範囲に強い変色がないか
明らかな異常がある場合や、判断に迷う場合は、無理に使用しないようにしてください。
種ごと使いやすいピーマン料理3選
ここからは、種やワタを残して調理しやすい料理を紹介します。
実際に作るときは、種の見た目や食感が気になる場合だけ取り除くなど、好みに合わせて調整してください。
ピーマンと豚肉のオイスター炒め
ピーマンを種ごと大きめに切り、豚肉と一緒に炒める料理です。
農林水産省では、種付きのピーマンと豚バラ肉を炒め、オイスターソース、しょうゆ、酒で味付けするレシピが紹介されています。
ピーマンを細切りにせず、縦4等分や大きめの乱切りにすると、種やワタが外れにくくなります。
丸ごとピーマンの焼きびたし
ピーマンを丸ごと焼き、白だしやしょうゆを使った調味液で煮る料理です。
農林水産省のレシピでは、フォークで穴を開けたピーマンをフライパンで焼き、白だし、薄口しょうゆ、水を加えて弱火で煮ています。
中の状態が気になる場合は、縦半分に切ってから同じように調理してもよいでしょう。
ピーマンのツナチーズ焼き
ピーマンを縦半分に切り、ツナやチーズなどの具材をのせて焼く料理です。
農林水産省の「ピーマンボートのツナチーズ」では、ヘタと種を残したまま具材を詰め、トースターまたはグリルで焼いています。
種の見た目が気になる場合は、自然に外れた種だけを軽く落としても構いません。
ピーマンの種についてよくある質問
ピーマンの種は食べても大丈夫ですか?
農林水産省では、一般に流通している食用ピーマンを種付きで炒める料理や、ヘタと種を付けたまま焼く料理が紹介されています。
そのため、通常の状態の食用ピーマンは、種を残して加熱調理できます。
ただし、カビ、異臭、強いぬめりなどがある傷んだピーマンまで食べられるという意味ではありません。種だけでなく、果肉を含めた全体の状態を確認してから使いましょう。
ピーマンの種やワタには栄養がありますか?
文部科学省の食品成分データベースには、青ピーマンの栄養成分が掲載されています。
ただし、掲載されている成分値は、ヘタ、しん、種子を廃棄部位として除いた部分を対象にしています。
そのため、この食品成分データベースの数値から、種やワタにどの程度の栄養が含まれているかを判断することはできません。
「種は果肉より何倍も栄養が多い」「種を捨てると栄養を大きく損する」といったことも、今回確認した公的資料からは断定できません。
種ごと調理するメリットは、特別な健康効果よりも、食べられる部分を活用し、下ごしらえの手間や食品ロスを減らしやすいことだと考えるとよいでしょう。
種とワタは生でも食べられますか?
農林水産省の記事には、生のサラダでも種を取らずに食べるという料理家個人のコメントがありますが、国が示した生食の安全基準ではありません。
今回確認した公的資料では、家庭でピーマンの種やワタを生食する場合について、明確な基準を確認できませんでした。
そのため、この記事では、炒め物、煮びたし、丸焼きなどの加熱調理を中心に紹介しています。
生の種やワタの食感が気になる場合は、無理に残さず取り除いてください。
種を残すと苦くなりますか?
苦味や食感の感じ方には個人差があります。
「種を残すと必ず苦くなる」「種にはまったく苦味がない」と一律に断定することはできません。
初めての場合は、ピーマン1個だけ種を残して調理し、食べやすいかどうかを確認してみましょう。
気になる場合は、種を取り除く、細かく切る、やわらかく加熱するなどの方法で調整してください。
子どもの料理にも種を残してよいですか?
農林水産省には、ヘタと種を残したピーマンにツナやチーズをのせて焼く、子どもが考案したレシピも掲載されています。
ただし、すべての年齢の子どもに同じ状態で提供できるという意味ではありません。
小さな子どもに出す場合は、年齢やかむ力に合わせて、ピーマンの大きさややわらかさを調整しましょう。
見た目や食感を嫌がる場合は、無理に種を残さなくても大丈夫です。
まとめ|ピーマンの種は料理と好みに合わせて使い分けよう
ピーマンの種や白いワタは、必ず取り除かなければならない部分ではありません。
炒め物、煮びたし、丸焼き、チーズ焼きなどでは、種やワタを残したまま加熱調理できます。
一方で、次のような場合は、種とワタを取り除いたほうが作りやすくなります。
- ピーマンの肉詰めを作るとき
- 細切りにして見た目を整えたいとき
- 種の食感や見た目が苦手なとき
- 家族や子どもが種を嫌がるとき
- ピーマンの中をしっかり確認したいとき
種を取る方法と、取らずに調理する方法のどちらか一方だけが正しいわけではありません。
まずは炒め物に使うピーマンのうち、1個だけ種を残して試してみてはいかがでしょうか。
料理の種類や自分、家族の好みに合わせて、無理のない方法を選んでくださいね。
