おせち料理ってなに？そんな疑問にやさしくお答えします
「おせち料理ってどうして食べるの？」「どんな意味があるの？」そんな素朴な疑問を持ったことはありませんか？
色とりどりの重箱に詰まった料理には、実はひとつひとつに大切な願いが込められています。
この記事では、おせち料理の意味や由来、代表的な料理に込められた願い、そして現代のおせちの楽しみ方までを、やさしくわかりやすくご紹介します。
おせち料理の意味と由来｜古くから受け継がれる日本の年始文化
おせち料理の語源は「御節供（おせちく）」という言葉。これは、季節の節目（節＝せつ）に神様へ感謝の気持ちをこめて捧げられた料理のことです。
古代中国から伝わったこの考え方は、やがて日本でも定着。弥生時代には稲作が始まったと言われており、自然の恵みに感謝する風習が生まれました。
平安時代には宮中行事「節会（せちえ）」が開かれ、天皇から料理が振る舞われる宴が行われるように。その料理が「御節供」と呼ばれたのが、おせちのはじまりとされています。
江戸時代になると、武家や商家、庶民の家庭にも広がり、重箱に詰めるスタイルが定着しました。重箱に詰めることで保存性が高まり、正月三が日をゆっくりと過ごせるようにするという、生活の知恵でもあったのです。
おせち料理に込められた5つの共通テーマ
おせち料理には、こんな願いが込められています。
- 健康・長寿……黒豆やえびなどにその願いが込められています。
- 子孫繁栄……数の子が象徴的ですね。
- 五穀豊穣……田作りや昆布巻きに見られます。
- 金運・商売繁盛……栗きんとんなどの金色の料理。
- 家内安全・安定した暮らし……たたきごぼうなど、根を張る素材が使われます。
これらのテーマを知ってからおせちを食べると、気持ちもぐっと豊かになりますね。
また、昔は1年の始まりであるお正月に“願いを食べる”ことで、一年の運気を呼び込むという考え方があったとも言われています。
おせち料理の意味一覧｜一品ずつの願いを解説
おせち料理は見た目が華やかなだけでなく、それぞれに深い意味が込められています。
| 料理名 | 意味・込められた願い |
|---|---|
| 黒豆 | 健康でまめに働ける一年になりますように |
| 数の子 | 子孫繁栄を願って |
| 田作り | 五穀豊穣を願って（小魚はかつて肥料として使われた） |
| たたきごぼう | 家族がその土地にしっかり根を張って暮らせますように |
| 伊達巻き | 学びや知識が増えますように（巻物に見立てて） |
| 栗きんとん | 金運・商売繁盛（黄金色の財宝をイメージ） |
| 紅白なます | 平和や調和を願う（紅白の水引を模して） |
| えび | 腰が曲がるまで長生きできますように（長寿） |
| 鯛 | 「めでたい」に通じるお祝いの魚 |
| 昆布巻き | 「喜ぶ」の語呂合わせで縁起物 |
地域によっては、れんこん（先を見通す）や、ブリ（出世魚）なども使われますよ。
もし時間があれば、おせちを食べながら一品一品の意味を家族に説明してみると、お子さんも興味をもってくれるかもしれませんね。
重箱に詰める意味とは？｜段ごとの意味と詰め方ガイド
おせちを重箱に詰めるのは、「めでたさを重ねる」という意味があるんです。
- 【一の重】祝い肴（黒豆・数の子・田作り）
- 【二の重】焼き物（鯛、ブリなど）
- 【三の重】煮しめ（根菜類など）
- 【与の重】酢の物や和え物（「四」は縁起が悪いので「与」）
重箱に詰める際は、品目ごとに区分けして盛り付けるのが基本。見た目の美しさと、取り分けやすさの工夫もあるのです。
家庭によっては「五の重」を空けておくことで、“これからも良いことが詰まっていきますように”という願いを込めることもあるんですよ。
現代版おせち事情｜手作り派？購入派？
忙しい現代では、手作りだけでなく市販のおせちもたくさん登場しています。
- 少人数用のミニおせち
- 冷凍保存できるタイプ
- アレルギー対応やベジタリアン向け
- 和洋折衷タイプや、スイーツが詰まったお重も人気
おせち通販では、早期予約割引やお試しセットなども充実しているので、家計や人数にあわせて選べます。
手作り派の方には、伊達巻きやなますなど、簡単に作れる一品からのチャレンジがおすすめです。子どもと一緒に作ることで、食育にもつながりますよ。
地域ごとのおせち文化｜わが家だけの伝統も
おせちの中身は、地域や家庭によって少しずつ違います。
- 関東は濃い味付け、関西はだしをきかせた薄味
- 北海道では鮭や数の子、いくらなど海鮮が多め
- 九州は甘めの味付け＆金時豆が黒豆の代わりに登場することも
また、東北地方では「紅白かまぼこ」の代わりに「たらこ」が使われるなど、地域ならではの工夫も。
「うちはなぜこれが入っているのかな？」と、ご家族と話すきっかけにもなりますよ。
進化するおせち｜最近のトレンド紹介
最近では、伝統にとらわれない自由なおせちも人気です。
- チーズ入り伊達巻やローストビーフおせち
- 子ども向けキャラクターおせち
- 洋風・中華風のオードブルスタイル
- SNS映えするカラフルな盛り付け
おせちは「こうあるべき」と堅苦しく考えなくても大丈夫。大切なのは、家族が笑顔で食卓を囲めること。トレンドを取り入れながら、自分たちらしいお正月を楽しんでくださいね。
子どもに伝えたい、おせち料理の意味と楽しみ方
「これなあに？」と聞かれたらチャンス！料理に込められた意味を伝えることで、自然と“食育”にもつながります。
例えば、「海老は長生きの願いがこもってるんだよ」「伊達巻きはお勉強が好きになりますようにって意味なんだよ」と声をかけてあげるだけでも、興味を持ってくれるかもしれません。
一緒に簡単な一品を作ってみたり、折り紙で食材の名前カードを作っても楽しいですね。
まとめ
おせち料理は、昔の人たちの願いや感謝の心がつまった“食の文化”です。
ひとつひとつの意味を知って食べることで、お正月がより豊かで温かな時間になるはず。ぜひ、今年はおせちの意味を家族で語りながら、おいしく味わってみてくださいね。
