毛たぼはまとめ髪をより美しく仕上げるための「ボリューム・形状補助アイテム」です。
ふだんのまとめ髪から浴衣・着物・卒業式・パーティーヘアまで幅広く活用されます。

ただし、意外と「使おうと思ったら家になかった…」というケースが少なくありません。

実は毛たぼは、
家にある素材＋100均で簡単に代用できる場合があります。

本記事では、一般的な美容知識にもとづき、初心者でも再現しやすい方法から、美容師の現場で応用される理論的な使い方まで深く丁寧に解説します。

※本記事は一般的な美容情報であり、髪質・毛量・技術により仕上がりには個人差があります。

代用品として使いやすい素材は次の4つ

• **① すき毛（100均）

• ② 毛糸

• ③ ストッキング

• ④ 靴下（薄手）**

特に、髪質・長さに左右されにくいのが「すき毛」「ストッキング」です。
和装では「毛糸・綿」、盛り髪では「靴下」が選ばれやすい傾向があります。

毛たぼとは？美容理論から見る“役割の本質”

毛たぼは、ただの“スポンジ”や“丸めた素材”ではありません。
まとめ髪の造形に必要な 三要素 を補っています。

① ボリュームの補填

髪が少ない・細い場合は土台が必要です。毛たぼが“空気の層”を作ることで自然なふくらみになります。

② 形状の安定

シニヨンや夜会巻きの丸みは「均一なカーブ」が命。
毛たぼはこのカーブの“テンプレート”の役割を果たします。

③ 面の美しさをサポート

髪を薄く広げて毛たぼにかぶせることで「表面が滑らかに見える効果」が得られます。

【比較表】代用品の特性を科学的視点で整理

素材が変わると仕上がりも変わる理由

• 化繊：弾力と保持力が高く、形が崩れにくい

• 天然繊維：軽く空気を含みやすいため、丸みがやわらかい

• 伸縮素材：形を変えやすいが、固定の仕方にコツが必要

【すき毛】最も扱いやすく初心者向け

すき毛が優秀な理由

• 毛流れが自然で、髪とかぶせたときに“境界が目立ちにくい”

• 形のバリエーション（ロール型・ドーナツ型）が豊富

• ピンが適度に引っかかり、固定しやすい

どんな髪質に向く？

• 細毛・やわらかい髪 → ボリューム補助に最適

• 多毛・剛毛 → 毛量とのバランスを取りやすい

使うときのポイント

• 置き位置を後頭部の丸みに沿わせると自然

• 髪を“一方向に流す”と仕上がりが整いやすい

【毛糸】和装の“丸み”を最も再現しやすい素材

毛糸の最大の強み

日本髪や和装の丸みは、柔らかいカーブとふんわり感が特徴です。
毛糸は繊維が空気を含むため、自然な丸みが非常に出やすい素材です。

毛糸の毛たぼが愛される理由

• 手作りしやすくコストがほぼゼロ

• 和装との相性が特に良い

• 自由な大きさを作れる

毛糸毛たぼの上級アレンジ

• 結び目の位置を変えて横長・縦長のシニヨンを調整

• ウール素材を混ぜるとより軽くなる

• 黒・茶系の毛糸にすると透けにくい

【ストッキング】形状操作がしやすく万能

ストッキングの特性

• 伸縮性が高く、小さめの“点”のボリュームを作りやすい

• 生地が薄いので髪をかぶせたとき凹凸が出にくい

こんなときに便利

• 毛たぼを使い慣れていない

• ボリュームを自然に微調整したい

• 髪が細くてピンが滑りやすい

アレンジの幅が広い理由

丸め方を変えるだけで

• しずく型

• ドーナツ型

• 細長いロール型
  などに自由変形できます。

【靴下（薄手）】高さのある盛り髪と相性抜群

靴下が盛り髪に使われる理由

• 布の密度が高いため“押し返す力”が強い

• 高さのあるヘアに耐えやすい

• ゴム部分が滑り止めの役割を果たすこともある

向いているスタイル

• パーティー・成人式風ヘア

• 高め位置のお団子

• ボリュームを一気に出したい日

【用途別】どの代用品を使うべきか？

和装

• 毛糸：丸み重視

• 綿：軽さと柔らかさ

• すき毛：きれいな曲線を作りやすい

和装ヘアは“縦の高さより、横の丸み”が重要です。

盛り髪

• 靴下（薄手）

• ドーナツポニー

高さが必要なため、形が崩れにくい素材が有利。

日常まとめ髪

• すき毛

• ストッキング

軽くて扱いやすい。

【髪の長さ別】適した代用品とテクニック

ショート〜ボブ

• 小さめ毛たぼ

• ピンで固定しすぎないことが大切

ミディアム

最も自由度が高く、ほぼ全素材が使える。

ロング

• 髪の重みでずれやすいため、毛たぼと髪の間にワックスを少量入れると安定しやすい

毛たぼを自然に見せる“形状理論”

1：ヘアの流れを揃える

毛流れが乱れると「凹凸＝影」が生まれ、不自然に見えます。

2：毛たぼより“少し大きめ”に髪を広げる

カバー率が高いほど自然。

3：ピンは“交差”させる

1本よりも、交差留めが圧倒的に安定します。

失敗しやすいポイントと対処法

髪が浮いてしまう

→ 毛たぼが大きすぎる可能性
→ 一回り小さいものに変更

ピンが痛い

→ 頭皮に直接刺さっている
→ Uピンを寝かせて入れる

すぐ崩れる

→ ワックス不足
→ 根元を軽く逆毛にする

【アレンジ例】写真なしでも再現できる

和装シニヨン（上品タイプ）

1. 低い位置で結ぶ

2. 毛たぼを置く

3. 髪を左右→下→上の順で覆う

4. ピンで固定

5. 表面のひび割れを指でなでて整える

高めお団子（盛り髪）

• 髪を高い位置で結ぶ

• 靴下を丸めたドーナツに通し、髪を広げて包む

• 毛束を巻きつけてピンで留める

【価格】購入場所ごとの特徴つき

• 100均：110円（初心者に最適）

• ドラッグストア：300〜600円（サイズが豊富）

• ネット：まとめ買いでお得（レビューを参考にしやすい）

保管とメンテナンス

• 湿気の少ない場所に保管

• 使用後は軽く乾燥

• 整髪料が付いた日は風通しを良くする

長期間きれいに使えます。

まとめ｜あなたに合う代用品は？

• 自然に仕上げたい → すき毛

• 和装の丸みが大切 → 毛糸・綿

• 急いでいる → ストッキング・靴下

• 華やかに盛りたい → ドーナツ型代用品

毛たぼは専門的な道具に見えて、実は日用品で十分代用できる奥深いアイテムです。
あなたの髪型づくりがもっと楽しく、自由になりますように。