出産祝いをいただいた際、「お返しは不要だよ」と言われることがあります。
そのような場合、実際にお返しをしなくてよいのか、それとも何らかの対応が必要なのか、迷われる方も多いでしょう。
この記事では、「お返しいらない」と言われた際の適切な対応方法を、親戚や職場などのシーン別に解説します。
また、内祝いとの違いや金額の目安、文例、マナーの注意点なども詳しく紹介します。
「お返しいらない」は本音?それとも建前?
近年では、相手への気遣いから「お返しは要らないよ」と添えてお祝いを渡す方も増えています。
これは、出産で出費が多いことや、忙しい時期に負担をかけたくないという思いやりからくるものです。
しかし、日本ではお祝いをいただいたらお返しをするという文化が根付いており、「お返しいらない」は建前のことも少なくありません。
そのため、相手の本音を見極めつつ、誠意の伝わる対応を心がけることが大切です。
【親戚編】「お返しいらない」と言われたら?まずは親に相談を
親戚関係では、地域や家ごとの慣習、不文律が存在することがあります。
まずはご両親や義両親に相談し、その家のやり方に従うのがベストです。
対応のポイント
-
まずはご両親に相談し、家系のルールを確認
-
お返しが不要と言われた場合でもお礼状は必須
-
決まり事があればそれに従う(例:半返しの習慣など)
-
名入れギフトや赤ちゃんの写真付きカードを添えるのも好印象
今後の親戚付き合いの第一歩として、丁寧な対応を心がけましょう。
【職場編】職場の人に「お返しいらない」と言われたらどうする?
職場関係者から出産祝いをいただく場合、ビジネスマナーとしての対応が重要になります。
ステップ1:金額を確認(帰宅後に)
封筒をその場で開けるのはNGです。帰宅後に金額を確認し、相場と照らし合わせましょう。
贈り主 | 相場の目安 |
---|---|
同僚 | 3,000~5,000円 |
上司・取引先 | 5,000~10,000円 |
ステップ2:金額別の対応方法
相場との比較 | 対応方法 |
---|---|
相場より多め | 半返し〜1/3を目安にお返しを用意し、「お気持ちには甘えられません」と一言添える |
相場通り | 半額程度のお返しが無難(地元の名産など気の利いたものが◎) |
相場より少なめ | 「すでにお返しを見越している」と解釈し、丁寧なお礼状や口頭での感謝だけで十分 |
【知っておきたい】「内祝い」と「お返し」はどう違う?
多くの方が混同しがちですが、もともとの意味には違いがあります。
お返し:いただいた物に対して「返す」行為
内祝い:お祝いごとを共有するための贈り物(本来はお祝いをもらっていない人にも贈る)
現在では「出産祝いへのお返し」=「出産内祝い」として使われています。
言葉の使い分けを理解しておくと、マナーに強くなれます。
【実用】内祝いのタイミングと金額目安
内祝いを贈る時期や金額の目安を把握しておくと安心です。
贈るタイミング
-
生後1か月〜2か月以内が一般的
-
命名カードや赤ちゃんの写真を添えると喜ばれる
金額目安(早見表)
いただいた金額 | 内祝いの相場 |
---|---|
3,000円 | 1,000〜1,500円 |
5,000円 | 2,000〜2,500円 |
10,000円 | 3,000〜5,000円 |
30,000円以上 | 5,000〜10,000円程度が上限 |
【文例付き】お返し不要と言われたときの感謝の伝え方
LINEやメールでの例(カジュアルな相手に)
「お祝いありがとうございました!
『お返しはいいよ』と言ってもらえて嬉しかったです。お気持ちだけで十分ありがたいです!」
お礼状の例(目上の方や親戚向け)
拝啓
このたびはご丁寧なご出産祝いをいただき、誠にありがとうございました。
「お返しは不要」とのありがたいお言葉に甘えるのは恐縮ではございますが、ささやかながら感謝の気持ちとして○○をお届けさせていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
敬具
【補足】地域の慣習や宅配マナーにも注意
-
地域によっては「赤ちゃんの名前を知らせるまでは贈り物を控える」風習もある
-
宅配で内祝いを贈る場合は、送り状やメッセージカードを添えると丁寧な印象
-
直接会えない相手には、事前にLINEや電話で一言伝えるのがマナー
まとめ|「お返しいらない」の言葉にどう応えるかが大人の礼儀
「お返しいらない」と言われても、それが本音なのか建前なのかを見極めるのは難しいものです。
迷ったときは「感謝の気持ちをどう形にするか」に立ち返るのが正解です。
-
親戚ならまずはご両親に相談
-
職場関係は金額を参考に判断
-
内祝いは1〜2か月以内に、相場に合わせて
-
お返しをしない場合でも、お礼の言葉はしっかりと
マナーとは、相手を思いやる心を形にしたもの。形式にとらわれすぎず、「ありがとう」をきちんと伝えることが何よりも大切です。