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月の異名一覧|睦月・如月・弥生など12か月の読み方・由来・覚え方

「睦月」「如月」「弥生」といった言葉を、カレンダーや小説で見かけたことはありませんか?

聞いたことはあっても、

  • 如月は何月だったかな?
  • 水無月は水がない月という意味?
  • どうして8月を葉月と呼ぶの?
  • 睦月や如月以外にも月の異名はあるの?

と迷うこともありますよね。

1月から12月までの代表的な月の異名は、次のとおりです。

睦月・如月・弥生・卯月・皐月・水無月・文月・葉月・長月・神無月・霜月・師走

これらは一般に「和風月名」と呼ばれ、旧暦の季節や行事、農作業、自然の変化などと結びついています。現在の暦でも使われていますが、旧暦を背景としているため、現在の季節感とは1〜2か月ほどずれて感じる場合があります。

ただし、「月の異名」は睦月から師走までの12種類だけではありません。

1月には初春や元月、2月には梅見月や雪消月など、それぞれの月にさまざまな別名があります。

この記事では、1月から12月までの月の異名について、読み方や代表的な由来、旧暦との関係、その他の異名、覚え方まで初心者の方にもわかりやすくご紹介します。

  1. 月の異名・読み方・由来の早見表
  2. 月の異名とは?和風月名や月の別名との違い
  3. 月の異名・和風月名はいつから使われている?
  4. 和風月名と旧暦の関係
    1. 昔の暦では月をどのように表していた?
  5. 月の異名と現在の季節がずれるのはなぜ?
  6. 春を表す月の異名
    1. 1月の異名は睦月(むつき)
    2. 2月の異名は如月(きさらぎ)
    3. 3月の異名は弥生(やよい)
  7. 夏を表す月の異名
    1. 4月の異名は卯月(うづき)
    2. 5月の異名は皐月(さつき)
      1. 五月雨と五月晴れは現在の5月の言葉ではない?
    3. 6月の異名は水無月(みなづき)
  8. 秋を表す月の異名
    1. 7月の異名は文月(ふみづき・ふづき)
    2. 8月の異名は葉月(はづき)
    3. 9月の異名は長月(ながつき)
  9. 冬を表す月の異名
    1. 10月の異名は神無月(かんなづき)
      1. 神無月と神在月の違い
    2. 11月の異名は霜月(しもつき)
    3. 12月の異名は師走(しわす)
  10. 睦月・如月だけじゃない|1月から12月にはほかの異名もある
    1. 1月から12月のその他の異名一覧
  11. 月の異名にはなぜたくさんの名前がある?
  12. 古典に登場する月の異名
    1. 『枕草子』に登場する「卯月のつごもりがた」
    2. 『徒然草』に登場する「神無月のころ」
  13. 月の最後を表す「晦日」とは?
  14. 月の異名が現在使われる場面
    1. 手紙や案内状
    2. 古典・俳句・短歌
    3. カレンダー・行事・商品名
  15. 月の異名を覚える3つの方法
    1. 季節ごとに3つずつ覚える
    2. 最初の音を並べて覚える
    3. 季節の物語にして覚える
  16. 月の異名に関するよくある質問
    1. 睦月や如月は現在の1月・2月にも使える?
    2. 月の異名と二十四節気は同じもの?
    3. 水無月は「水がない月」という意味?
    4. 神無月と神在月は何が違う?
    5. 師走は本当に師匠が走るから?
    6. 睦月から師走以外にも月の異名はある?
  17. 月の異名を確認するクイズ
    1. 初級問題
    2. 中級問題
    3. クイズの答え
  18. まとめ|月の異名は季節と結びつけると覚えやすい

月の異名・読み方・由来の早見表

まずは、1月から12月までの代表的な月の異名を一覧で確認してみましょう。

月 月の異名 読み方 代表的な由来
1月 睦月 むつき 親族が集まり、親しく過ごす月
2月 如月 きさらぎ 寒さで衣をさらに重ねて着る月
3月 弥生 やよい 草木がますます生い茂る月
4月 卯月 うづき 卯の花が咲く月
5月 皐月 さつき 早苗を植える月
6月 水無月 みなづき 田に水を引く「水の月」
7月 文月 ふみづき・ふづき 稲の穂がふくらむ月、七夕の「文」など諸説
8月 葉月 はづき 木々の葉が落ちる月
9月 長月 ながつき 秋の夜が長くなる月
10月 神無月 かんなづき 「神の月」など諸説ある
11月 霜月 しもつき 霜が降りる月
12月 師走 しわす 師も走り回るほど慌ただしい月

水無月は「みなつき」、葉月は「はつき」、長月は「ながづき」と読むこともあります。

また、月名の由来には複数の説があり、語源がはっきり確定していないものも少なくありません。

この記事では、現在よく知られている読み方と代表的な由来を中心に解説します。

なお、睦月から師走までは代表的な和風月名ですが、それ以外にも各月には多くの異名があります。後半の「1月から12月のその他の異名一覧」でもご紹介します。

月の異名とは?和風月名や月の別名との違い

睦月や如月など、日本で古くから使われてきた月の呼び名は、一般に「和風月名」と呼ばれます。

「月の異名」「月の別名」「旧暦の月名」などと紹介されることもあります。

ただし、「月の異名」という言葉を広い意味で使う場合は、睦月・如月・弥生などの12名称だけを指すとは限りません。

たとえば1月には「初春」「元月」「初春月」、2月には「梅見月」「雪消月」など、ほかにもさまざまな異称があります。

そのため、

  • 睦月〜師走:特に広く知られている代表的な和風月名
  • 月の異名・月の別名:それ以外の呼び名まで含めて使われることがある

と考えるとわかりやすいでしょう。

この記事では、まず睦月から師走までを詳しく解説し、そのあとに代表的なその他の異名もご紹介します。

月の異名・和風月名はいつから使われている?

睦月・如月・弥生などの和風月名は、古くから使われてきた言葉です。

しかし、「12の名前がある時代にまとめて作られた」と考えるよりも、それぞれの呼び名が長い年月の中で使われてきたものと考える方が自然です。

実際、月名の由来には複数の説があり、どの説が本来の語源なのか断定できないものも少なくありません。

和風月名には、草木の変化や農作業、季節、人々の暮らしに結びつく説明が多く見られます。古い言葉であるため、本来の語源がわからなくなり、後世にさまざまな由来説が生まれたと考えられるものもあります。

そのため、月の異名を学ぶときは、

「この由来が絶対に正しい」と覚えるのではなく、「代表的にはこのように説明されている」と理解する

のがおすすめです。

和風月名と旧暦の関係

睦月・如月・弥生などは、旧暦の各月を表す異称として古くから使われてきました。

現在では「和風月名」と呼ばれ、新暦の1月〜12月にも対応させて使われています。

ただし、和風月名の由来となった季節感や行事は、現在の新暦ではなく旧暦を背景としているものが多くあります。

昔の暦では月をどのように表していた?

和風月名は旧暦と深い関係がありますが、昔の月の表し方が睦月・如月などだけに統一されていたわけではありません。

古い文献や暦では、数字による月の表記と月の異称が使い分けられてきました。

そのため、「睦月=現在の1月」と覚えるだけでなく、旧暦の季節や文化と結びついた呼び名だと理解すると、由来がわかりやすくなります。

月の異名と現在の季節がずれるのはなぜ?

月の異名を見ていると、現在の季節と合わないように感じることがあります。

たとえば、8月の異名は「葉月」です。

葉月は「葉落ち月」に由来するという説がありますが、現在の8月といえば、まだ木々の葉が青々としている季節ですよね。

これは、和風月名が古い暦の季節感と結びついているためです。

旧暦では、季節を次のように分けていました。

  • 春:1月・2月・3月
  • 夏:4月・5月・6月
  • 秋:7月・8月・9月
  • 冬:10月・11月・12月

現在の暦と比べると、季節感が1〜2か月ほどずれて感じることがあります。

そのため、現在の月だけを基準に考えると、名前の由来がわかりにくい場合があります。

旧暦の8月は秋にあたるため、「葉が落ちる月」という葉月の説明ともつながるのです。

春を表す月の異名

旧暦では、1月から3月までが春にあたります。

新しい年を迎え、厳しい寒さの中から少しずつ草木が育っていく様子が、月の名前にも表れています。

1月の異名は睦月(むつき)

1月の異名は「睦月」です。

お正月に親族が集まり、仲良く親しむ「睦び月」が変化して、睦月になったという説がよく知られています。

「睦む」には、仲良くする、親しくするという意味があります。

お正月に家族や親戚が集まり、食事を囲みながら仲睦まじく過ごす様子を思い浮かべると覚えやすいでしょう。

覚え方:家族が仲睦まじく集まる1月は「睦月」

ただし、「睦び月」は代表的な語源説の一つです。

「元つ月」や「実月」などを由来とする説もあり、語源が完全に確定しているわけではありません。

2月の異名は如月(きさらぎ)

2月の異名は「如月」です。

寒さがまだ残っているため、衣をさらに重ねて着る「衣更着」が、きさらぎの由来になったという説があります。

「衣をさらに着る」と区切って考えると、意味を覚えやすくなりますね。

なお、「如月」という漢字表記と「衣更着」という由来の説明は別のものです。

「如月」と書いて「きさらぎ」と読みます。

如月という漢字は中国由来の表記で、「きさらぎ」という読み自体は日本で古くから使われてきた言葉とされています。

衣更着説は広く知られていますが、「きさらぎ」という言葉の本来の成り立ちは、はっきりわかっていないともいわれています。

そのため、「衣更着が語源です」と断定せず、代表的な説として覚えておくとよいでしょう。

覚え方:寒くて衣をさらに着る2月は「如月」

3月の異名は弥生(やよい)

3月の異名は「弥生」です。

「いやおい(弥生)」が変化した言葉とされ、草木がますます生い茂ることを表します。

「弥」には、いよいよ、ますますという意味があります。

寒い冬を越えた草木が芽を出し、少しずつ成長していく春の景色を表した名前です。

弥生という言葉は、現在でも人名や地名などに使われています。

覚え方:草木がますます生い茂る3月は「弥生」

夏を表す月の異名

旧暦では、4月から6月までが夏にあたります。

花が咲き、田植えが始まり、田んぼに水を引く季節の様子が、月の名前にも表れています。

4月の異名は卯月(うづき)

4月の異名は「卯月」です。

白い花を咲かせるウツギの花、つまり「卯の花」が咲く月に由来するという説があります。

「卯」という一文字がウツギを表すのではなく、ウツギの花を「卯の花」と呼ぶことから、卯月と呼ばれるようになったという説明です。

一方で、苗を植える月に関係するという説もあります。月名の由来は一つに確定しているわけではありません。

覚え方:卯の花が咲く4月は「卯月」

5月の異名は皐月(さつき)

5月の異名は「皐月」です。

皐月は「早月」と書くこともあり、田植えに使う早苗を植える月に関係する名前とされています。

語源については、「早苗月」から変化したという説のほか、いくつかの説明があり、一つに確定しているわけではありません。

昔の人にとって、田植えは一年の実りを左右する大切な作業でした。

田んぼに小さな苗を植えていく初夏の景色を思い浮かべると、皐月を覚えやすくなります。

覚え方:早苗を植える5月は「皐月」

五月雨と五月晴れは現在の5月の言葉ではない?

皐月に関係する言葉として、「五月雨」と「五月晴れ」があります。

五月雨は「さみだれ」と読み、もともとは旧暦5月に降る長雨、つまり梅雨の雨を表す言葉です。

五月晴れも、本来は旧暦5月の梅雨の合間に見られる晴天を表していました。

現在では、新暦5月のさわやかな晴天を「五月晴れ」と表現する使い方も広まっています。

昔の意味と現在の使われ方の両方を知っておくと、俳句や文学作品を読むときにも役立ちます。

6月の異名は水無月(みなづき)

6月の異名は「水無月」です。

「水が無い月」と書くため、水不足の季節を表しているように見えますよね。

しかし、代表的な説では、「みなづき」の「な」は現在の「の」にあたる古い用法で、「水の月」を意味するとされています。

田植えを終えた田んぼに水を引く月であることから、水無月と呼ばれるようになったという説明です。

一方で、暑さによって水が少なくなる月など、ほかの説もあります。

語源は一つに確定していないため、「水の月」が代表的な説と覚えておくとよいでしょう。

覚え方:田んぼに水を引く6月は「水無月」

秋を表す月の異名

旧暦では、7月から9月までが秋にあたります。

稲穂が実り、木々の葉が落ち、夜が少しずつ長くなる様子が、月の名前に表れています。

7月の異名は文月(ふみづき・ふづき)

7月の異名は「文月」です。

一般的には「ふみづき」と読みますが、「ふづき」と読むこともあります。

文月の由来には、稲の穂がふくらむ「含月(ふふみづき)」が変化したという説があります。

また、七夕に書物を開いたり、短冊に歌や文字を書いたりする風習と結びつける説も知られています。

由来は一つに確定していませんが、覚え方としては、七夕の短冊に文字を書く様子と結びつけると覚えやすいでしょう。

覚え方:七夕の短冊に文を書く7月は「文月」

8月の異名は葉月(はづき)

8月の異名は「葉月」です。

木々の葉が落ち始める「葉落ち月」が変化したという説があります。

現在の8月は真夏なので、

「葉が落ちる季節ではないのでは?」

と不思議に思うかもしれません。

しかし、名前の背景にある古い暦では、8月は秋にあたります。

現在の8月ではなく、旧暦の秋を思い浮かべると、葉月の意味がわかりやすくなります。

覚え方:木々の葉が落ち始める8月は「葉月」

9月の異名は長月(ながつき)

9月の異名は「長月」です。

秋になって夜が長くなる「夜長月」が短くなり、長月になったという説が代表的です。

暑かった夏が終わり、日が暮れる時間が少しずつ早くなる様子を思い浮かべるとよいでしょう。

そのほか、秋の長雨を表す「長雨月」などに由来するという説もあります。

覚え方:秋の夜が長くなる9月は「長月」

冬を表す月の異名

旧暦では、10月から12月までが冬にあたります。

神々にまつわる伝承や霜、年末の慌ただしさが、月の名前に表れています。

10月の異名は神無月(かんなづき)

10月の異名は「神無月」です。

「無」を現在の「の」にあたる言葉と考え、「神の月」を表すという説があります。

一方で、全国の神々が出雲へ集まり、各地から神様がいなくなるため「神無月」と呼ばれるようになったという伝承も有名です。

ただし、「神々が出雲へ行くから神無月になった」という説明は、語源として確定しているわけではありません。

「神の月」という語源説と、神々が出雲へ集まるという伝承を分けて考えることが大切です。

覚え方:神々が出雲に集まると伝わる10月は「神無月」

神無月と神在月の違い

一般的な和風月名では、旧暦10月を神無月と呼びます。

一方、神々が集まると伝えられている出雲地方では、旧暦10月を「神在月」と呼びます。

日本全国で10月を神在月と呼ぶわけではなく、出雲地方に伝わる特別な呼び名です。

11月の異名は霜月(しもつき)

11月の異名は「霜月」です。

霜が降りる「霜降月」が変化して、霜月になったという説があります。

漢字から冬の寒い朝を想像しやすいため、月の異名の中でも比較的覚えやすい名前ではないでしょうか。

朝、草木や地面が白い霜に覆われている景色を思い浮かべてみましょう。

覚え方:霜が降り始める11月は「霜月」

12月の異名は師走(しわす)

12月の異名は「師走」です。

年末になると、師匠も走り回るほど忙しくなることから、師走になったという説が広く知られています。

ただし、師走についても語源がはっきり確定しているわけではありません。

「師が馳せる月」など、いくつかの説があります。

由来を断定するのではなく、「師も走るほど慌ただしい年末」というイメージで覚えるとよいでしょう。

覚え方:師も走るほど忙しい12月は「師走」

睦月・如月だけじゃない|1月から12月にはほかの異名もある

「月の異名」と聞くと、睦月・如月・弥生などを思い浮かべる方が多いでしょう。

しかし、日本では一つの月に対して、ほかにもさまざまな呼び名が使われてきました。

たとえば1月だけでも、睦月のほかに「初春」「元月」「初春月」などがあります。

月ごとの異称は非常に多く、自然や行事、季節、植物などを思わせる美しい名前も少なくありません。

1月から12月のその他の異名一覧

ここでは、睦月〜師走以外の異名から、比較的覚えやすいものをいくつか紹介します。

月 代表的な和風月名 その他の異名の例
1月 睦月 初春・元月・初春月
2月 如月 梅見月・雪消月・初花月
3月 弥生 桜月・桃月・花見月
4月 卯月 花残月・卯花月・夏初月
5月 皐月 橘月・早苗月・五月雨月
6月 水無月 水月・鳴神月・風待月
7月 文月 七夕月・七夜月・涼月
8月 葉月 月見月・秋風月・雁来月
9月 長月 菊月・紅葉月・寝覚月
10月 神無月 時雨月・初霜月・神在月(出雲地方)
11月 霜月 雪待月・霜見月・神楽月
12月 師走 春待月・氷月・暮歳

これらは、各月に存在する多くの異称の一部です。

「桜月」「月見月」「紅葉月」「雪待月」「春待月」などは、名前を見るだけでも季節の風景が浮かんできますね。

ただし、異名によっては時代や資料、地域などで使われ方や読み方が異なる場合があります。

まずは、睦月から師走までの代表的な12名称を覚え、興味が出てきたらそのほかの異名にも触れてみるとよいでしょう。

月の異名にはなぜたくさんの名前がある?

なぜ、一つの月にこれほど多くの呼び名があるのでしょうか。

月は、昔の人々の暮らしと深く結びついていました。

現在のように数字だけで月を捉えるだけではなく、

  • 草花が咲く時期
  • 稲作や田植えなどの農作業
  • 雨や霜などの天候
  • 七夕などの行事
  • 月見や紅葉といった季節の風景
  • 新年や年末など暮らしの節目

と結びつけて季節を感じていたため、さまざまな呼び名が生まれたと考えるとわかりやすいでしょう。

1月だけでも多数の異称が伝わっており、和風月名は数多くある月の異称の中でも特に広く知られている12の名称と考えることができます。

月の異名の多さそのものが、日本人が季節の変化を細やかに言葉へ映してきたことを感じさせてくれます。

古典に登場する月の異名

月の異名は、古典文学にもたびたび登場します。

数字だけで月を表すのではなく、月の異名を使うことで、季節の空気や風景まで伝わってきます。

『枕草子』に登場する「卯月のつごもりがた」

清少納言の『枕草子』には、

卯月のつごもり方に、初瀬に詣でて

という一節があります。

「卯月」は旧暦4月、「つごもりがた」は月末ごろという意味です。

「初瀬」は、現在の奈良県桜井市にある長谷寺周辺を指します。

そのため、この部分は「旧暦4月の末ごろに、初瀬の長谷寺へお参りして」という意味になります。

「つごもりがた」は月末ごろを表すため、必ずしも月の最終日とは限りません。

なお、『枕草子』は底本によって、漢字や仮名遣い、章段番号などが異なる場合があります。

『徒然草』に登場する「神無月のころ」

兼好法師の『徒然草』第11段は、

神無月のころ、栗栖野といふ所を過ぎて

という言葉から始まります。

ここで使われている「神無月」は、旧暦10月を表します。

兼好法師が山里を訪れ、木の葉に埋もれた静かな庵を見つける場面です。

冒頭に「神無月」と書かれていることで、木々の葉が落ち、冬が近づいている静かな景色を想像できます。

月の異名を知っていると、古典作品を読むときに「何月なのか」だけでなく、その場面の季節感までつかみやすくなります。

月の最後を表す「晦日」とは?

「晦日」は、その月の最後の日を表す言葉です。

「みそか」「つごもり」「かいじつ」などと読みます。

もともと「みそか」は三十日を表す言葉でしたが、月の日数にかかわらず、その月の最終日を意味するようになりました。

12月の最終日は、一年で最後の晦日であることから「大晦日」と呼ばれます。

ただし、『枕草子』に登場する「つごもりがた」は、月の最終日そのものではなく「月末ごろ」という意味です。

「晦日」と「つごもりがた」は少し意味が異なるため、区別しておきましょう。

月の異名が現在使われる場面

月の異名は、昔の文章だけに使われる言葉ではありません。

現在でも、さまざまな場面で目にすることがあります。

手紙や案内状

手紙や案内状で月の異名を使うと、文章にやわらかな季節感を添えられます。

たとえば、12月の手紙では、

師走を迎え、何かと慌ただしい時期となりました。

といった使い方ができます。

ただし、正式な書類の日付や、正確な日程を伝える案内では、誰にでもわかる数字表記を使う方が安心です。

古典・俳句・短歌

古典文学や俳句、短歌では、月の異名が季節を伝える言葉として使われます。

月名を知っていると、作品が描いている季節や風景をイメージしやすくなります。

カレンダー・行事・商品名

和風のカレンダーや季節の行事、お菓子、日本酒、旅館の部屋名などにも、睦月や如月といった名前が使われます。

「弥生」や「皐月」のように、人名として親しまれている月名もあります。

月の異名を覚えておくと、身近な場所にある日本らしい名前にも気づきやすくなりますね。

月の異名を覚える3つの方法

12か月の名前を一度に丸暗記するのは、少し大変です。

ここでは、初心者の方でも取り組みやすい覚え方を3つご紹介します。

季節ごとに3つずつ覚える

まずは、12個を4つの季節に分けてみましょう。

旧暦の季節 月の異名
春 睦月・如月・弥生
夏 卯月・皐月・水無月
秋 文月・葉月・長月
冬 神無月・霜月・師走

一度に12個を覚えようとせず、3個ずつ区切るのがポイントです。

まず、

睦月・如月・弥生

だけを覚えたら、次に、

卯月・皐月・水無月

へ進みます。

4つのまとまりとして覚えると、12個を一気に暗記するより負担が少なくなります。

最初の音を並べて覚える

月の異名の最初の音を並べると、次のようになります。

む・き・や/う・さ・み/ふ・は・な/か・し・し

それぞれ、

  • む・き・や:睦月・如月・弥生
  • う・さ・み:卯月・皐月・水無月
  • ふ・は・な:文月・葉月・長月
  • か・し・し:神無月・霜月・師走

です。

最初は音だけで覚えず、月名を見ながら何度か声に出してみましょう。

季節の物語にして覚える

月の異名を順番につなぎ、短い物語にする方法もおすすめです。

お正月には家族が仲睦まじく集まり、寒いので衣をさらに着ます。

春になると草木が生い茂り、卯の花が咲きます。

田んぼには早苗を植え、水を引きます。

続いて、

七夕には文を書き、秋になると葉が落ち、夜が長くなります。

神々が出雲に集まると伝わる頃を過ぎると霜が降り、年末には師も走るほど忙しくなります。

このように、季節の景色を思い浮かべながら覚えると、名前だけを丸暗記するよりも思い出しやすくなります。

月の異名に関するよくある質問

月の異名について迷いやすいポイントを、質問形式で確認しておきましょう。

睦月や如月は現在の1月・2月にも使える?

現在でも、1月を睦月、2月を如月というように使われています。

カレンダーや季節の文章などで、現在の月に対応させて使用されることがあります。

ただし、名前の由来となった季節や自然の様子は古い暦の季節感と結びついているため、現在とはずれて見える場合があります。

月の異名と二十四節気は同じもの?

月の異名と二十四節気は、同じものではありません。

月の異名は、睦月や如月などの月の呼び名です。

一方、二十四節気は、一年を太陽の動きに合わせて24の時期に分けたもので、立春・夏至・秋分・冬至などがあります。

名前はどちらも季節と関係していますが、仕組みは別のものです。

水無月は「水がない月」という意味?

代表的な説では、「水がない月」ではなく「水の月」という意味です。

「みなづき」の「な」が現在の「の」にあたる古い用法で、田に水を引く月を表したといわれています。

ただし、水無月の語源にはほかの説もあり、一つに確定しているわけではありません。

神無月と神在月は何が違う?

一般的な和風月名では、旧暦10月を神無月と呼びます。

出雲地方では、全国の神々が集まるという伝承から、旧暦10月を神在月と呼びます。

そのため、「神在月」は全国一律の10月の呼び方ではありません。

師走は本当に師匠が走るから?

師匠も走り回るほど忙しい月という説明は、広く知られている説の一つです。

ただし、師走の語源は一つに確定していません。

記事やレポートなどで説明するときは、

「師匠が走ることが語源です」

と断定せず、

「そのような説が広く知られています」

と表現するとよいでしょう。

睦月から師走以外にも月の異名はある?

あります。

睦月〜師走は特に有名な12の和風月名ですが、そのほかにも各月には多くの異称があります。

たとえば、

  • 1月:初春・元月
  • 2月:梅見月・雪消月
  • 3月:桜月・花見月
  • 8月:月見月・秋風月
  • 9月:菊月・紅葉月
  • 12月:春待月・氷月

などがあります。

月の異名をもっと知りたい場合は、睦月〜師走だけでなく、こうした季節を感じる別名を調べてみるのも楽しいでしょう。

月の異名を確認するクイズ

最後に、クイズで覚えた内容を確認してみましょう。

初級問題

  1. 如月は何月でしょうか?
  2. 5月の異名は何でしょうか?
  3. 葉月は何月でしょうか?
  4. 12月の異名は何でしょうか?

中級問題

  1. 田に水を引く月とされる異名は何でしょうか?
  2. 「夜長月」が由来とされる月名は何でしょうか?
  3. 出雲地方で旧暦10月を表す呼び名は何でしょうか?
  4. 月の最終日を表す言葉は何でしょうか?
  5. 「梅見月」は何月の異名でしょうか?
  6. 「紅葉月」は何月の異名でしょうか?

クイズの答え

  1. 2月
  2. 皐月
  3. 8月
  4. 師走
  5. 水無月
  6. 長月
  7. 神在月
  8. 晦日
  9. 2月
  10. 9月

全問正解できましたか?

間違えた月があっても、由来や季節の風景を思い浮かべながら、もう一度一覧表を確認してみてくださいね。

まとめ|月の異名は季節と結びつけると覚えやすい

月の代表的な異名は、1月から順に次のようになります。

睦月・如月・弥生・卯月・皐月・水無月・文月・葉月・長月・神無月・霜月・師走

これらは一般に和風月名と呼ばれ、季節や行事、農作業、自然の変化などと結びついています。

月の異名を覚えるときは、名前だけを丸暗記するのではなく、

  • 睦月は、家族が仲睦まじく集まる月
  • 如月は、衣をさらに着る月
  • 葉月は、木々の葉が落ちる月
  • 長月は、秋の夜が長くなる月

というように、季節の景色と結びつけるのがおすすめです。

また、「月の異名」は睦月から師走までの12種類だけではありません。

桜月・月見月・紅葉月・雪待月・春待月など、それぞれの月には季節を感じさせるさまざまな別名があります。

月名の語源には複数の説があり、すべての由来が確定しているわけではありません。

まずは睦月から師走までを季節ごとに3つずつ覚え、慣れてきたら、そのほかの美しい月の異名にも目を向けてみてくださいね。