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宮島・厳島神社の大鳥居はなぜ腐らない?倒れない?観光も楽しむ完全ガイド

広島県・宮島のシンボルともいえる厳島神社の大鳥居
満潮のときには青い海に浮かぶような神秘的な姿を見せ、干潮になると歩いて鳥居の真下まで行くことができる、不思議で美しい景色が魅力です。

そんな大鳥居を見ていると、ふとこんな疑問が浮かびませんか?

  • 「木でできているのに、どうして海水に浸かっても腐らないの?」

  • 「台風や地震のような自然の力に耐えて、長年倒れないのはなぜ?」

実は、この大鳥居には耐久性を高めるための素材選びや、古来から伝わる建築技法が巧みに使われています。
さらに、海の上に建てられた理由や、そこに込められた信仰の意味も深く関係しているのです。

この記事では、腐らない・倒れない理由に加えて、歴史、修復の最新情報、観光の見どころ、そして訪問時のちょっとしたコツまで、たっぷりご紹介します。

大鳥居の基本情報

  • 所在地:広島県廿日市市宮島町

  • 高さ:約16.6m

  • 主柱の直径:約1m

  • 現行の鳥居:8代目(1875年建立

  • 最新修繕:2019年6月〜2022年12月まで約3年半の保存修理工事を実施し、朱色が一層鮮やかに蘇りました

  • 世界遺産:1996年にユネスコ世界文化遺産に登録

2022年の修理では、傷んだ部分の木材交換や塗装の塗り直しが行われ、海風や潮に耐える強さを保つための補強も施されました。修理期間中は足場とシートに覆われていましたが、完成後はその姿が再び多くの観光客を魅了しています。

なぜ腐らないのか?長持ちの秘密

樹齢数百年のクスノキ(カンフル)の力

主柱には、樹齢500年以上のクスノキが使われています。
クスノキは非常に密度が高く重い木材で、天然の樟脳成分を含み、これが防虫・防腐作用を持っています。
この木材はかつて船の材料や寺社の柱としても重宝され、海辺や湿気の多い場所でも長持ちする特性があります。

ちなみに、主柱は一本丸ごと使用されるため、伐採・運搬・加工には高度な技術と労力が必要。大鳥居の建造は、まさに木材と人の知恵の結晶です。

海水による防腐効果

淡水では木を腐らせる菌(腐朽菌)が繁殖しますが、海水は塩分濃度が高く、こうした菌の活動を抑える環境です。
満潮時に海水が柱を覆うことで、腐朽菌が生きにくい状態になり、木の劣化が遅くなります。

これは科学的にも説明できる現象で、海辺の古い木造施設が長持ちする理由の一つとも言われています。

朱色の塗装が持つ防御力

大鳥居を彩る鮮やかな朱色には**ベンガラ(酸化鉄顔料)**が使われています。
この顔料は防虫・防腐作用があり、さらに古来より魔除けの色とされてきました。
色の美しさだけでなく、実用面でも木を守る大切な役割を果たしています。

なぜ倒れないのか?耐久性の秘密

地中に固定しない構造

大鳥居は地面に深く埋め込まれていません。
まず海底に松の杭を打ち、その上に石を敷き、その上に鳥居本体を置くという重量で安定させる構造です。
固定していない分、地震や波の衝撃を逃がしやすくなっています。

上部に隠された7トンの重し

鳥居の最上部「島木」の内部には、こぶし大の石がぎっしり詰められており、その重量は約7トンにもなります。
この重しが重心を低く保ち、強風や高波でも倒れにくい状態を維持します。

六本柱の安定構造

主柱2本に加えて、4本の控柱を備える六本柱構造により、横揺れや波の力を分散。
この組み合わせが、大鳥居を何十年も海中に立たせ続ける力になっています。

海中に建つ理由と信仰の背景

厳島神社は、宮島全体が御神体とされています。
古くから、神聖な島に直接足を踏み入れず、海を隔てて参拝する形式が取られてきました。
そのため社殿や鳥居は海上に建てられ、海に浮かぶような神秘的な景観が生まれたのです。

この「海を渡って神に会う」という形式は、日本各地の離島信仰とも通じる文化的背景があります。

歴史と修繕の歩み

  • 初代建立:推定593年(推古天皇の時代)

  • 平安時代:社殿とともに再建

  • 鎌倉・室町時代:たびたび修繕

  • 現行(8代目):1875年建立

  • 大規模修理:2019〜2022年、約90年ぶりの全面工事

修繕では、傷んだ木材の交換、塗装の塗り直し、防腐処理などが行われ、今後も数十年単位で保存活動が続けられます。

観光の見どころと楽しみ方

潮の満ち引きで変わる景色

  • 満潮時:海に浮かぶ神秘的な姿が見られる

  • 干潮時:歩いて鳥居の下まで行ける(靴が濡れないよう注意)
    ※「宮島 潮位表」を事前に確認するのがおすすめです。

おすすめ撮影スポット

  • 弥山展望台:島全体と鳥居を一望できる

  • 五重塔前:朱色の塔と鳥居をセットで撮影

  • フェリー上:真正面から迫る鳥居の姿を楽しめる

季節ごとの絶景

  • :桜と朱色のコントラスト

  • :新緑と青い海の爽やかな景色

  • :紅葉と社殿の赤が調和

  • :雪化粧で幻想的な雰囲気に

アクセスと周辺観光情報

  • アクセス:JRまたは広電「宮島口」駅 → フェリーで約10分

  • グルメ:あなご飯、もみじ饅頭、焼き牡蠣が名物

  • 宿泊:宮島島内の旅館やホテル、宮島口周辺の宿も便利

  • 夜はライトアップされた大鳥居が幻想的でおすすめ

世界遺産としての価値

厳島神社は1996年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。
評価ポイントは、自然と人工物が調和した景観の美しさと、日本の宗教文化を象徴する建築様式です。
現在も地元と国が連携して保全活動を続けています。

まとめ

厳島神社の大鳥居が海水に浸かっても腐らず、長年倒れない理由は…

  1. 腐りにくい樹齢数百年のクスノキを使用

  2. 海水による防腐効果

  3. 朱色の塗装で防虫・防腐&魔除け

  4. 地中に固定せず重量で安定

  5. 上部7トンの石と六本柱で耐久性確保

  6. 定期的な修繕

この知識を持って訪れれば、目の前の大鳥居がさらに特別に見えるはずです。
宮島観光の際は、ぜひ潮の時間や季節を意識して、大鳥居のさまざまな表情を楽しんでください。