「冬至にゆず湯に入ると風邪をひかない!」子供のころから親によく聞かされていた話ですが、これまで特に疑ったことはありませんでした。
それって、本当?
ゆず湯の由来を知れば、毎年忘れがちな冬至を、少しは気に掛けるきっかけになるかもしれません。
冬至にゆず湯入る由来は
江戸時代からあったとされる「ゆず湯」。
元々は、銭湯の客寄せが始まりだそうです。
江戸時代の客寄せ。
ここからして既に、ちょっと
「ん?」と思います。
どうして?
冬至に
お風呂に
ゆず
なのか?
きっとなにか深い由来や意味が、と期待しますが、やっぱりというか、すべて語呂合わせのようです。さすが江戸時代の商売人、遊び心が満点ですね。
冬至 = 湯治
ゆず = 融通
湯治とは、温泉に入って病気を治療すること。
冬至は、一年で一番夜が長い日のことです。
寒い季節ですし、
ゆっくりお湯につかるにはうってつけです。
語呂合わせをまとめてみると、「ゆずが効く冬至に、融通の利く湯治を」つまり、無病息災を願って行われた習慣のようです。
もちろん、
ゆずが選ばれた理由はそれなりにあるのですが、語呂合わせと、どちらが後付けか……というのは、難しいところです。
冬至に湯船にゆずを入れる理由
語呂合わせのほかに、ゆずが選ばれた理由
① ゆずの木は寿命が長く、病気にも強い。この生命力にあやかって、無病息災や健康長寿を、ということなのでしょう。
② ゆずが実るまでには長い年月がかかります。ゆずは、種から育てると実がなるまでに十年以上かかることもあると言われます。
接ぎ木で育てても3~4年で結実です。
湯船に浮かんだゆずには、長年の努力が実る、苦労が報われる、という願いが込められています。
③ 香りが強い。
香りの強いものは、悪いものを追い払うと信じられています。ゆずをお風呂に入れることで、身体を清めて邪気を払う、となるわけです。
ここまで見ても、
やはり迷信やこじつけ感がありますね。
冬至にゆず湯の効能
語呂合わせと迷信だけ?
「風邪をひかない」はどこへ行った?
となってしまいますが、ゆず湯には、保湿や美肌、疲労回復などの効能があります。
① 保温効果
ゆずの皮に含まれるリモネンという芳香成分が、全身の血行を良くしてくれるため、湯船で温まった身体が冷えにくくなると言われます。
また、ゆずの皮表面の芳香油が肌を包み込んで、湯冷めを予防してくれるそうです。
冷えは万病の元ですから、身体が冷えにくい=風邪をひきにくい、というわけですね。
② 美肌効果
ゆずに豊富に含まれているビタミンCが、ゆずを湯船に浸けることでお湯に溶け出します。
ゆず100gのうち、果汁には 40mg、皮には 150mgのビタミンCが含まれています。
皮ごとゆずを浮かべるゆず湯は、ビタミンCの溶液に全身を浸すようなものです。
果汁より皮のほうが美肌効果が高いなんて、
意外ですね。
ちなみにビタミンCは肌に対して、保湿効果、抗酸化作用、バリア機能の効果があり、乾燥肌改善や老化予防、肌質の強化が見込めます。
③ 疲労回復 &リラックス
リモネンのさわやかな香りには、心身ともに癒されます。揮発性のため、お湯に入れるとさらに香りが立ちます。
ゆずの皮から作られる、ゆずのエッセンシャルオイルは、アロマテラピーでも注目されています。
血行促進のほか、発汗、利尿、抗菌、イライラ解消など、身体や心の疲れをやわらげ、不調を改善する手助けをしてくれます。
まとめ
ゆず湯について調べるうち、
ゆず万能説が出てきました。
ゆず5~6個を輪切りにして布袋に入れ、
湯船に浮かべればゆず湯の完成。
簡単ですね。
今年の冬至には、子供と一緒にゆず湯に入ってみたいと思います。