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旧暦における月の呼び名「和風月名 (わふうげつめい)」由来とその覚え方

日本の旧暦には「和風月名 (わふうげつめい)」と呼ばれる独特な月の呼び名がありますが、ご存知ですか?

これらの月名を簡単に記憶する方法や、覚えやすい工夫はあるのでしょうか?

こうした疑問にお答えします!

月名の一覧表を利用し、頭文字などを駆使することで、記憶しやすくなります。

独特の言葉の組み合わせやリズムを用いた方法なども、わかりやすくご紹介します。

日本の伝統的な月名「和風月名 (わふうげつめい)」とは?

現在私たちが使っている「1月」「2月」「3月」などの数字で表される月は、グレゴリオ暦によるものです。

このグレゴリオ暦は、太陽の周囲を一周する周期を基に作られた太陽暦の一つです。

世界的には太陽暦が主流で、特にグレゴリオ暦が広く用いられています。

それに対し、月の満ち欠けを基にした暦は「太陰暦」と称されます。

日本でグレゴリオ暦が導入されたのは1873年1月1日です。

それ以前は、いくつかの太陰暦が使用されていました。

これらの太陰暦は「旧暦」と呼ばれ、現在の数字で表される月名(グレゴリオ暦)は「新暦」とされています。

旧暦の月名には、特有の「和風月名 (わふうげつめい)」があります。

これらの月名の由来には様々な説がありますが、一定の定説はありません。

和風月名 (わふうげつめい)の読み方や由来は?

1月:睦月(むつき)

新年の祝いで家族や親戚が和気あいあいと集うことから、この名前がつけられました。「生月(うむつき)」が語源であるという話も伝わっています。

2月:如月(きさらぎ)

中国の古辞書『爾雅』にある「2月を如とする」という記載に由来します。中国とは異なる読み方をしますが、日本では旧暦2月の寒さが再び訪れることを表し、「衣更着」が語源とされています。

3月:弥生(やよい)

温かな気候の中で草木が生い茂る様子からこの名が付けられました。

4月:卯月(うづき)

卯の花が満開になる時期や田植えの時期を表す「植月(うづき)」という意味から名付けられました。

5月:皐月(さつき)

早苗を植える「早苗月(さなえづき)」が省略された名前であり、後に「皐月」という字が当てられました。「皐」には水田を意味することが含まれています。

6月:水無月(みなづき)

梅雨明け後の水不足を指す説と田に水を張ることから「水月(みなづき)」が変化したとする説があります。

7月:文月(ふみづき)

七夕に詩や文字を書く「文披月(ふみひろげづき)」や稲穂が膨らむ「ふくみ月」から派生したとされています。

8月:葉月(はづき)

葉が落ち始める時期を示す「葉落月(はおちづき)」が省略された名前で、旧暦ではこの時期が秋の真っ盛りでした。

9月:長月(ながづき)

秋の長い夜、「夜長月(よながづき)」や長雨、「長雨月(ながめづき)」、稲穂が成長する「穂長月(ほながづき)」などが語源です。

10月:神無月(かんなづき)

神々が出雲に集まり他の地域が神様不在になることから名付けられました。ただし出雲では「神在月(かみありつき)」と称されています。

11月:霜月(しもつき)

霜が降る時期を指す「霜降月(しもふりつき)」から来ています。

12月:師走(しわす)

僧侶を招いて経を唱える慣習から「師馳す」が変化し名付けられたものです。

明治時代に西暦を取り入れた後も、日本独自の月の名前「和風月名 (わふうげつめい)」は今に伝わっています。

たとえば、12月を「師走」と呼ぶのは、和風月名 (わふうげつめい)の中でも特に親しまれている例です。

「師」とは僧侶を意味し、昔は12月に僧侶を迎え経を唱える風習がありました。

「師馳す」が変化し、「走る」という文字が使われるようになったのです。

本来、和風月名 (わふうげつめい)は気候や行事に因んで名付けられていましたが、新暦導入後も月の番号に基づいて使われ続けています。

その結果、実際の季節と1〜2ヶ月程度のズレが生じているのです。

和風月名 (わふうげつめい)の覚え方

旧暦の月名を覚える必要がある場面は、時に訪れるかもしれません。

試験、子どもからの質問、あるいは罰ゲームなど、理由は様々ですが、覚え方をいくつかご紹介します。

月名は、その頭文字を取って語呂合わせにしたり、リズムをつけて覚えるのがおすすめです。

旧暦の月名を順番に並べ、最初の文字を取って覚えるのが基本的な方法です。

1月:睦月(むつき)
2月:如月(きさらぎ)
3月:弥生(やよい)
4月:卯月(うづき)
5月:皐月(さつき)
6月:水無月(みなづき)
7月:文月(ふづき)
8月:葉月(はづき)
9月:長月(ながづき)
10月:神無月(かんなづき)
11月:霜月(しもつき)
12月:師走(しわす)
これらの頭文字をつなげると、

「むきやうさみふはなかしし」となります。

語呂合わせで旧暦の月名を覚える

頭文字の「むきやうさみふはなかしし」

を使った語呂合わせは、覚えやすいように名詞を多用すると効果的です。

どれだけくだらなくても、印象に残るものなら覚えやすくなります。

ぜひイメージを活用して、この方法を試してみてください。

リズム感を取り入れて覚える方法

メロディを付けるとより覚えやすくなります。

■ 3音節で区切って覚える

まずは、3音節ごとに区切ります。

「むきやー、うさみー」と伸ばして覚えると良いです。

『むきや(睦月、如月、弥生)・うさみ(卯月、皐月、水無月)・ふはな(文月、葉月、長月)・かしし(神無月、霜月、師走)』

■ 五七五のリズムで覚える

五七五のリズムに乗せて覚えます。

語呂合わせが苦手な人でも、俳句風に何度か繰り返せば記憶に残りやすくなります。

『むきやうさ(睦月、如月、弥生、卯月、皐月)・みふみはづき(水無月、文月、葉月)・ながかしし(長月、神無月、霜月、師走)』

まとめ

かつて使われていた太陰暦を「旧暦」と呼び、現在の月名(グレゴリオ暦)は「新暦」としています。

旧暦における「和風月名」は、日本独特の名前でした。

これらの月名は、気候や行事に関連して名付けられており、旧暦の季節に合ったものでした。

月名を覚える際は、頭文字を使った語呂合わせやリズムを利用する方法が効果的です。

一度しっかり覚えると、意外と簡単に思い出すことができます。

日常ではあまり使われない旧暦の和風月名ですが、日本の四季の情緒を感じさせる魅力的な名前です。