お中元やお歳暮は日本の伝統的な習慣ですが、様々な理由でその習慣を終えたいと考える方もいるかと思います。
経済的な理由や人間関係の変化などがその理由です。今回は、そんな時に役立つ方法と、特に会社関係の人への適切なマナーについて解説します。
直接終わらせる方法
最もシンプルなのは、ただ贈り物をやめることです。
親しい友人や親戚に対しては、「これからは気軽に付き合いましょう」と提案することで、双方が納得しやすいです。
それほど親しくない人には、最初に自分から送るのをやめ、もし相手から何か届いた場合にはお礼状を送って、今後は贈答を控える旨を伝えると良いでしょう。
徐々に終わらせる方法
急に贈り物をやめるのが難しい場合は、段階的に終わらせる方法もあります。
例えば、
最初にお中元をやめてお歳暮のみにする。
お中元の代わりに暑中見舞いのハガキを送る。
お歳暮の金額を少しずつ下げるなど、徐々にフェイドアウトする。これにより、相手も自然と受け入れやすく、スムーズに移行できます。
形式を変えて続ける方法
完全にやめるのではなく、贈り物の形式を変える方法も考えられます。
お中元やお歳暮をやめて、代わりにお年賀や旅行のお土産など、不定期の贈り物に切り替えることで、形式に囚われず自然体での関係を維持できます。
これにより、回数や金額に縛られることなく、気軽に交流を続けることができます。
会社関係への配慮
会社関係でお中元やお歳暮をやめる際には、特に注意が必要です。
急に贈るのをやめると、誤解を招く可能性があるため、挨拶状やお礼状を通じて丁寧に事情を説明するのが適切です。
転勤や部署の異動、退職など、大きな変化があった時には、それを機に新たなスタートとして贈り物をやめるのが自然なタイミングと言えます。
お中元やお歳暮をやめる決断は、一つの文化的習慣にピリオドを打つことですが、適切な方法とタイミングを選べば、双方にとって納得のいく結果につながります。どの方法を選ぶにしても、相手の気持ちを尊重し、感謝の気持ちを忘れないよう心がけましょう。
お中元・お歳暮を終了する際の適切な伝え方
お中元やお歳暮は、長年の感謝を形にする大切な日本の習慣ですが、様々な理由でこれを終えたい場合、適切な方法で相手に伝えることが重要です。
今回は、お中元やお歳暮をやめたい方向けに、どのように伝えればよいかを具体的な文例と共に解説します。
挨拶状を利用した伝え方
お中元やお歳暮を終了する際には、直接会って伝えることが難しいケースでは、挨拶状やハガキを用います。
これまでの感謝をしっかり伝えつつ、贈り物を終える旨を丁寧に記載することが大切です。
一般的な挨拶状の文例
これまでの感謝を伝えるとともに、贈り物を終える意向を示す文例です。
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
長らくの間、格別のお引き立てを賜り、心から感謝しております。
このたび、私事ながらお中元・お歳暮を本年限りで終了させていただくことにいたしました。これまでのご厚情に深く感謝申し上げます。
皆様の益々のご健勝を心からお祈り申し上げます。
敬具
会社関係の人への文例
仕事上の関係が変わることを理由に、お中元やお歳暮を終了させる際の一例を紹介します。
拝啓 秋深まるころ、貴社におかれましては益々ご発展のことと存じます。平素より大変お世話になっております。
さて、部署異動のため、長年続けて参りましたお中元・お歳暮を今年をもって終了させていただく運びとなりました。これまでのご厚誼に心から感謝申し上げます。
今後とも変わらぬお付き合いを賜りますよう、お願い申し上げます。
敬具
最後の贈り物のお知らせ文例
最後の贈り物をする際の文例です。
拝啓 師走の候、貴殿におかれましては益々ご健勝のことと存じます。日頃から大変お世話になっております。
この度、長年続けて参りましたお歳暮ですが、今年をもって終了させていただくことにいたしました。
毎年、心より感謝を込めてお贈りしておりましたが、今後は別の形で感謝の意を表して参りたいと考えております。
寒さの増す折、どうぞご自愛くださいませ。
敬具
お中元やお歳暮の贈り物を終了する際は、相手に不快な思いをさせないように、感謝の気持ちをしっかりと伝えることが最も重要です。
上記の文例を参考にしながら、自分の言葉で誠実に伝えることを心掛けてください。
お中元とお歳暮の本来の目的
お中元とお歳暮は、それぞれ夏と年末に感謝の気持ちを伝える伝統的な贈り物です。
お中元は夏にお世話になった方々へ健康と感謝を込めて、お歳暮は一年の締めくくりとしてその年の感謝を示します。
これらは中国の道教からの影響を受けたり、日本のお盆や御霊祭りに根ざしています。
贈り物を終えたい時のポイント
お中元やお歳暮を終えたいと思う理由は人それぞれですが、例えば疎遠になった関係や経済的な負担が大きい場合などがあります。
一度始めたら終わらせるのが難しいものですが、贈り物は心からの感謝を表すためのものですから、義務感だけで続けるのは本来の意味を失います。
虚礼廃止の考え方
最近では「虚礼廃止」という考え方が広まっています。これは形式にとらわれず、意味のある交流を重視する動きです。
特にビジネスの場では、形式的な贈り物よりも実際のコミュニケーションが大切になってきています。
もし贈り物が双方にとって負担となっているなら、誠実に状況を伝え、適切に関係を見直すことが重要です。
まとめ
お中元やお歳暮は、感謝の気持ちを形にするための大切な手段ですが、それが負担になってしまうと意味が薄れてしまいます。
贈り物を終えたいと思ったら、相手との関係を考慮し、適切な方法で対応することが大切です。この記事が、その一歩を踏み出す際の参考になれば幸いです。