風邪や花粉症など、
年中悩まされている人も多い鼻水。
何のために、
どこから出てくるのでしょうか?
どうして鼻が詰まるの?
実は、鼻水には大切な役割があります。
鼻水が出る理由
鼻に入ってきた異物を、
体外へ押し流すのが鼻水です。
異物とは、ホコリや花粉、ウイルスや細菌など、体内に入るとよろしくないものたちです。
ホコリっぽい部屋に入るとくしゃみが出て、同時に鼻水も流れてきますね。鼻がホコリに「入ってこないで!」と言っている瞬間です。
風邪で鼻水がダラダラなのも、鼻がウイルスや細菌と戦ってくれている証拠なのです。なので、風邪じゃなくても鼻水は吸い込んではいけません。出来る限り鼻をかんで、異物を体外に出しましょう。
鼻水はどこから出てくる?
鼻の穴を「鼻腔(びくう)」、その奥にある4つの空洞を「副鼻腔」と言います。鼻腔と副鼻腔は粘膜に覆われていて、毛細血管がびっしりです。
粘膜の中には「鼻腺(びせん)」があり、絶えず粘液を分泌し続けています。さらに、毛細血管からも「血漿(けっしょう)」が分泌されています。
血漿は、血液から赤血球などが抜けた状態の淡黄色の液体です。
これらが混ざったものが、鼻水。
健康なときでも1日およそ1~1.5リットルほどの鼻水が分泌されているそうです。
鼻の粘膜が炎症などで刺激を受けると分泌が活発になり、鼻水が大量に流れてきます。
鼻が詰まる原因
鼻の穴を2cmほど奥にいくと、「鼻甲介(びこうかい)」というヒダがあります。ひとつの穴に3つずつです。
鼻づまりは、この鼻甲介が炎症して腫れていると起こります。
原因としては鼻炎などの病気や、点鼻薬の常用でも腫れることがあります。
いくら鼻水をかんでも詰まりが解消されないのは、ヒダが腫れて鼻腔が狭くなっているからなのです。
もちろん、鼻水が溜まることで空気の通りが悪くなり詰まることもあります。ただ、それほどひどい鼻水はたいてい鼻炎などが原因なので、鼻甲介の腫れも起こっています。
鼻風邪がつらいのは、腫れ+大量の鼻水で詰まるからなんですね。
その他、病気によって軟骨や骨に異常が出たり、鼻腔や鼻と喉の間にできものが出来たりして空気の通り道が狭まっている場合。
ご飯粒のような大きめの異物が鼻に入ってしまっている場合など、鼻づまりの原因はいろいろあります。
鼻甲介の役割
鼻づまりの原因になってしまう鼻甲介ですが、人間にとってはなくてはならないものです。
鼻腔にあるこのヒダ、
・異物をキャッチする
・鼻水を分泌する
・外気の温度と湿度を整える
という3つの役割があります。
異物キャッチは、なんと鼻に侵入した異物の約8割を食い止めているんだとか。そしてその異物を、鼻水で外に押し流してくれます。
「外気を整える」とは、
冷たい空気、熱い空気を、肺にとっての適温・最適な湿度に調節してくれること。
空気が鼻甲介を通過すると、約1秒で温度は37℃、湿度は100%になります。すると肺がびっくりせず、呼吸しやすくなるというわけです。
空気に湿度を持たせるのは、もちろん鼻水。
1日1リットルも納得です。
また、鼻炎などによって腫れる鼻甲介ですが、実は、元気なときでも腫れを繰り返しています。
常時休む暇のない鼻甲介は、2~3時間ごとに左右で交互に腫れて休憩している、と考えられています。
よく聞く「鼻は片方の穴でしか呼吸をしていない」というのは言い過ぎで、腫れによって狭くなったほうの鼻腔は空気の通過する量が減っている、ということです。
入ってくる空気の量が減れば異物の量も減るので、鼻甲介の仕事量も減ります。そうやって交代で休憩しているのです。
まとめ
鼻水は、異物を洗い流す分泌液。
そして鼻は、加湿機能付き空気清浄機。
身体を水際で守ってくれているんですね。