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お疲れ様・ご苦労様・お世話様の違いと使い方

仕事はキライじゃないけど、
職場の人間関係は大変…と、
感じる人は少なくありません。

しかも、日本語って難しいですよね…。表現がバラエティーに富んでいるぶん、誤解を生みやすかったり…。

職場など、上下関係が求められる環境では特に、敬語の使い方一つで印象を左右したりするものです。

気づかずに間違った敬語を使ってしまい、周りが引き気味に思え、
「あれ…なんかこの空気、
 ビミョーじゃない?
 何かまずいコト言ったかな?」
なんて経験は誰しもあるのではないでしょうか。

イメージ的になんとなく似てるけど全く違う…今日は、そんな間違いやすい敬語3つのオハナシです。

お疲れ様・ご苦労様・お世話様の使い方の違い:そもそも編

仕事をしていてよく使うのは、
やはり「お疲れ様です」でしょう。
「ご苦労様です」
「お世話様です」も
字面やイメージは似てるけど、
そもそもどう違うのでしょうか?

お疲れ様です

「お疲れ様です」とは、読んで字のごとく、手の疲れをいたわって、ねぎらう時にかける言葉です。

つまり、相手が疲れている時に優しい気遣いを示すフレーズですね。

職場などで、互いにすれ違う際のあいさつとして使ったり、外出先から戻ってきた人に対して使ったりすることもありますよね。

仕事を終えて先に帰る人から「お先に失礼します」と言われた時の返し言葉としても使えます。

お互いそれまで仕事をしてきているので、そのことに対して、優しくいたわる、ねぎらいの言葉なのです。

本来、
ねぎらうとは、目上の人が目下の者にすることです。

その意味からすると、「お疲れ様です」という言葉は、目下の者が目上の人に使うと失礼になります。

しかし、近年では、日常のあいさつ言葉として広く浸透しているため、目上の人に使っても、マナー上は問題ないとされています。

とはいえ、目上の方が比較的ご年配であれば、本来の意味にとらえ気分を害される場合もあるので、覚えておきましょう。

逆に、目下から目上の人に対してであっても、
気心が知れてる関係なら使っても問題ないでしょう。

自分と同程度の人に対して使うのは全く問題ありません。

相手によって臨機応変ということなんですね。

「お疲れ様です」という言葉は比較的、使用範囲が広いため、基本的には、使いやすい敬語です。

疲れをいたわって、相手を優しく気づかうねぎらいの言葉。それが「お疲れ様」の良い所なのです。

ご苦労様です

この言葉は、目上の人が目下の人の労苦をねぎらう言葉です。

「ご苦労様です」には、
「よく頑張ったね!」「よくやった」というニュアンスがあるので、目上の人に使ってはいけません。

なので、上司や先輩が外出先から戻って来た時などに、きっと大変だったんだろうな…と思っても、

「ご苦労様です」
と言おうものなら、大変なことになります。

「は?お前、何様だよ?
 ケンカ売ってんの?」と思われかねません。
 
ねぎらうつもりが逆効果、上から目線になってしまいます。

仮に、上司が何も言わず笑って許してても、
「こいつ、ビジネスマナーがなってないな。 大丈夫かな?」と
思われても仕方ないわけで…。

使い方を間違えると、
とても失礼なNGワードです。

もし、上司から
「〜の件、ご苦労様」と言われたら、
「ありがとうございます。
 お疲れ様でございます」と、
労ってくれたことへの感謝を伝えましょう。

また、自分が上司であれば、
部下へのねぎらいの言葉をかけることで、
お互いに良い関係を築きやすくなるでしょう。

ところで、
宅配屋さん、新聞や牛乳を配達してくれる人、郵便屋さんなどに、

「ご苦労様です」ってよく言いますよね。
こういう場合はどうなんだろう…?って、思ったことありませんか?

結論から言うと、OKです。
宅配屋さんや配達の方は身内ではないので、
「ご苦労様です」は、
他人に仕事を頼んだ時など、相手がその仕事をしてくれた事を労う言葉なので、自然です。

「ご苦労様です」は、使い方を間違うと失礼になりますが、使える相手も限られるので、使い分けやすい言葉かもしれませんね。

お世話様です

ふだん親しく行き来している相手に対するあいさつです。(例えば、ご近所や親戚の人など)

相手が自分のために労力をさいて、何かを手伝ってくれた時や、お世話になった相手への感謝を伝える時に使います。

しかし、「お世話様です」には、
「お世話になるもならないも、
 お互い様じゃないですか」
といったニュアンスがあるので、目上の人には使いません。

お世話になった相手に感謝を伝える言葉ではありますが、敬意の度合いはやや軽くなるので、「ご苦労様です」と同様、目上の人に対してはNGワードです。

似た言葉で、
「お世話になっております」はよく使います。
こちらは、ビジネスシーンで取引先の人に使うことが多く、上司や目上の人にも使えます。

もちろん、ご近所様にも使えます。
電話やメール等の定番表現でもあります。

「お世話様です」に比べると、
使用範囲が広い言葉です。

本来、「お世話になっております」の
「世話」には、
「面倒を見る」「尽力する」といった意味があるので、

「お世話になっております」とは、
「面倒を見てくれて、ありがとうございます」または、「尽力して頂いてありがとうございます」という意味です。

使える場面や、使える相手が広く、感謝の気持ちを込めた言葉、それが「お世話になっております」です。

「お世話様です」だと、目上の人に対して敬意を欠くため、くれぐれも混同しないように、使い分けたいですね。

お疲れ様・ご苦労様・お世話様の使い方と違い:素敵にプラスα編

敬語って難しいですが、ポイントさえ分かれば大丈夫です。

ところでもう一つ、知っておいて損はない言葉があります。それは、

お疲れの出ませんように」。

主に目上の人に対して、
「頑張ってください」という意味で使います。
ねぎらいの気持ちをこめた、より丁寧な言い方です。

「お疲れの出ませんように」を使って伝えてみてください。丁寧で美しい響きですし、好感度もアップするかもしれません。

もちろん、使う目的は好感度アップではなく、
相手の方へのねぎらいの気持ちがメイン。お間違えのないように。

お葬式に参列した際や、弔電の文面にもよく使われます。

こちらで聞いたことがある方も多いかもしれません。「大変ですね」というメッセージをこめて、ご遺族などを思いやり、気づかう気持ちを伝えることができます。

ただ敬語を使うだけでなく、具体的な言葉をプラスすることで、相手への感謝や励まし、ねぎらいの気持ちが伝わりやすくなります。

こういう所を助けてもらえて嬉しかった
〜してくれたおかげで仕事がやりやすかった、

何でも良いので、自分の言葉で伝えることがポイントです。もちろん、お世辞はNGですよ。

まとめ

いかがだったでしょうか?
ざっくりまとめてみますと…

・お疲れ様
相手をねぎらう時にかける言葉。
結構、使用範囲が広い。
本来は目上から目下の者にかける言葉だったが、近年では、あいさつ表現として広く使われ、目上に対してもアリ。

・ご苦労様
目上の人が目下の者をねぎらう言葉。
上から目線になるので、目下から目上の人に使うのは絶対NG。
配達員などに使う分にはOK
(頼んだ仕事をしたことへのねぎらい)

・お世話様
基本的には、親しくしている人向け。
何か手伝ってくれた時や、お世話になった相手への感謝。
お互い様目線なので、目上の人に使ってはいけない。

・お世話になっております
感謝の気持ちを込めた言葉。
使用範囲がはば広く、上司や目上の人、仕事の取引先や、ご近所など、多くの場面で使える。

「お疲れの出ませんように」や
「ありがとうございます」なども
上手に使っていきたいですね。